別荘の「湿気・カビ」対策|久しぶりでも臭くない!不在時に行うべきこと・便利グッズ
「避暑地」と呼ばれる長野県の別荘地は、なぜカビやすいのでしょうか? その最大の理由は、「霧(きり)」と「空気の滞留」です。
特に軽井沢などの森林地帯は、夏場の湿度が非常に高く、窓を閉め切っていると室内の湿気は逃げ場を失います。 さらに、人がいない家は空気が動かないため、カビの胞子が着床しやすくなるのです。
カビは一度発生すると、壁紙の裏や畳の奥まで根を張り、完全な除去が困難になります。 別荘を長持ちさせ、快適に過ごすための「帰る前の儀式(対策)」をマスターしましょう。
目次
1. 帰る前にこれだけは!「5つの基本儀式」
特別な道具がなくても、帰る前のちょっとした工夫で被害を減らせます。 キーワードは「開放」です。
① 全ての扉を開け放つ
クローゼット、押し入れ、下駄箱、洗面所のドア、キッチンの収納扉。 これらを全て全開にします。密閉された狭い空間は湿気が溜まりやすいため、家全体の空気を繋げておくイメージです。
② 家具・寝具を壁から離す
- ソファ・タンス: 壁にぴったりついていると、裏側で結露しカビが生えます。5cm〜10cmほど離しておきましょう。
- マットレス: これが一番重要です。敷きっぱなしは厳禁。立てかけておくか、スノコの上に置き、布団類は圧縮袋に入れて密閉するのがベストです。
③ カーテンは束ねるか、開けておく
カーテンを閉め切ると、窓ガラスの結露がカーテンに移り、カビだらけになります。 防犯上の懸念はありますが、レースのカーテンだけにするか、しっかり束ねて窓ガラスに触れないようにしましょう。
④ 冷蔵庫の電源を抜き、ドアを開ける
中身を空にして電源を抜き、ドアを少し開けておきます(タオルなどを挟む)。 閉めたままだと、庫内が常温・高湿になり、黒カビの温床になります。
⑤ 24時間換気のスイッチを確認
「電気代がもったいないから」とブレーカーを落として帰るのはNGです! 24時間換気システム(お風呂やトイレの換気扇)は、家の呼吸器です。これだけは常にONにしておいてください。
2. 文明の利器に頼る!「機械換気」の最強メソッド
「基本儀式だけでは不安」「高価な革製品や着物を置いている」 そんな方は、文明の利器を使って「強制的に除湿・換気」を行いましょう。
最強の対策:「除湿機の連続排水」
別荘オーナーの間で常識となりつつあるのが、除湿機の活用です。 しかし、タンクに水が溜まると止まってしまいます。
そこで、「ホースをつないで、お風呂場やキッチンに直接排水する(連続排水)」機能がついた除湿機を使います。 これをシンクや浴室に設置し、湿度60%設定などで稼働させ続ければ、家の中は常にドライな状態を保てます。
空気を動かす:「サーキュレーター」の首振り
カビは「動いている空気」を嫌います。 サーキュレーターを首振りモードで回しっぱなしにしておくだけでも、空気の淀みがなくなり、カビの発生を抑制できます。 最近は電気代が月数百円程度の省エネモデルも多いです。
3. 根本から解決する「床下」と「IoT」
さらに一歩進んだ対策として、リノベーションや設備投資で解決する方法もあります。
床下換気扇と調湿剤
別荘の湿気は「地面(床下)」から上がってきます。

床下に「床下換気扇」を設置して強制排気したり、「床下調湿材(炭やゼオライト)」を敷き詰めたりすることで、家全体の湿度レベルを下げることができます。
「IoT」で遠隔操作
スマートプラグやスマートリモコンを導入し、自宅からスマホで別荘のエアコンや換気扇を操作します。 「行く日の前日からエアコンを除湿運転にしておく」といった使い方ができ、到着時の快適さが段違いです。
4. 業者に頼む「通風サービス」
「機械をつけっぱなしにするのは火事が心配」という方は、人の手を借りましょう。 長野県の別荘地には、管理会社や代行業者による「通風・換気サービス」があります。
- 内容: 月に1回程度、スタッフが鍵を開けて全ての窓を開放し、水道の通水(錆び防止)やポストの確認を行ってくれるサービスです。
- 費用: 月額数千円〜。
人の目で雨漏りや異常がないかもチェックしてもらえるため、安心料として考えれば安いものです。
まとめ:カビ対策は「空気の流れ」を作ること
- 基本: 扉を全開にし、家具を壁から離す。
- 機械: 除湿機の「連続排水」が最強。サーキュレーターも有効。
- 換気: 24時間換気は絶対に止めない。
「久しぶりに行ったら、カビ臭くて掃除だけで1日終わった…」 そんな残念な時間を過ごさないために、次回の滞在後は、ぜひ「帰る前の儀式」を徹底してみてください。 家が深呼吸できる状態にしてあげることが、大切な別荘を長く守る秘訣です。