【最重要】カーポートの「積雪強度」選び。100cm・150cm・200cm、信州で選ぶべきはどっち?
カーポート選びで最も悩ましいのが、「どこまでの強度を持たせるか」です。 強度が上がれば柱が増え、梁(はり)が太くなり、当然価格も跳ね上がります。
しかし、ここでの「節約」は非常にリスキーです。 なぜなら、メーカーがカタログに記載している「積雪〇〇cm対応」という数値は、あくまで「新雪(ふわふわの軽い雪)」を想定した比重だからです。
信州特有の「湿った重い雪」や、屋根から落ちてくる「圧縮された雪」の場合、カタログ値の半分ほどの高さで限界を迎えることもあります。 エリアごとの積雪量と、選ぶべきスペックの基準を解説します。
目次
1. スペックの違いは「骨組み」の違い
そもそも、100cm対応と200cm対応では何が違うのでしょうか? 一言で言えば、「鉄の量」が違います。
- 積雪50cm〜100cm対応(一般地域〜中雪):
- 柱:4本(片側2本ずつ)が主流。
- 梁:標準的な太さ。
- 積雪150cm〜200cm対応(豪雪地域):
- 柱:6本〜8本に増えます。
- 梁:極太になり、本数も密になります。
- 基礎:柱を埋めるコンクリートの大きさも巨大になります。
見た目の圧迫感は増しますが、それだけ数百キロ〜数トンの荷重に耐えられる設計になっています。
2. エリア別!信州の「推奨強度」マップ
長野県は南北に長く、標高差もあるため、必要な強度はピンキリです。 2014年の大雪災害の教訓も踏まえ、プロが推奨する「安全ライン」は以下の通りです。
① 豪雪地帯(北信・小谷・白馬など)
【推奨:積雪150cm 〜 200cm】
飯山市、信濃町、小谷村、白馬村などの「特別豪雪地帯」にお住まいの方は、迷う余地はありません。 積雪200cm対応(柱6〜8本タイプ)が必須です。 150cm対応では、一晩のドカ雪で埋まってしまった場合、早朝から必死の雪下ろしが必要になります。「雪下ろし不要」の安心感を得るなら最強クラスを選びましょう。
② 中雪地帯(長野市北部・大町・山間部)
【推奨:積雪100cm 〜 150cm】
長野市街地より北側や、標高の高いエリアです。 普段はそこまで降りませんが、数年に一度の大雪で1m近く積もる可能性があります。 積雪100cm対応をベースに、屋根からの落雪がある場所に設置する場合は150cm対応にランクアップするのが賢明です。
③ 少雪地帯(上田・佐久・松本・諏訪・伊那)
【推奨:積雪50cm 〜 100cm】
「うちは雪が少ないから」と油断しやすいエリアです。 確かに普段は10cm〜20cm程度ですが、2014年の豪雪では上田や松本でも50cm〜80cm近い積雪を記録し、多くのカーポートが倒壊しました。
- 最低ライン: 積雪50cm対応(これ以下は絶対NG)
- 安心ライン: 積雪100cm対応 ※上田や佐久などの東信エリアでも、最近は異常気象への備えとして「100cm対応」を選ばれる方が増えています。「雪下ろしをしたくない」なら100cmです。
3. 「カタログ数値」を信じてはいけない理由
「100cm対応を買ったから、90cmまでは放置して大丈夫」 そう思っていると、カーポートは潰れます。理由は2つあります。
理由①:信州の雪は「比重」が重い
メーカー基準の「比重0.3(新雪)」に対し、一度溶けて凍った信州の雪や、春先の湿った雪は「比重0.5〜0.7」になることがあります。 つまり、見た目の高さは50cmでも、重さは100cm分(カタログ限界値)に達していることがあるのです。
理由②:屋根からの「落雪」衝撃
カーポートを建物のすぐ横に設置する場合、屋根から落ちてくる雪の直撃を受けます。 落雪は、自然に積もった雪の何倍もの衝撃(動荷重)と密度を持っています。 「落雪がある場所」に設置する場合は、その地域の推奨ランクより「1ランク上」を選ばないと、屋根に穴が開いたり、梁が曲がったりします。
4. 費用対効果:「ワンランク上」の価格差
では、強度を上げるといくら高くなるのでしょうか?(2台用カーポートの目安)
- 50cm対応: 約 50万〜70万円
- 100cm対応: 約 70万〜90万円(+20万円)
- 150cm対応: 約 90万〜120万円(+40万円)
- 200cm対応: 約 120万円〜
この差額をどう捉えるかです。 「20万円高いからランクを下げよう」と考えた結果、大雪の夜に「潰れるかもしれない」と不安で眠れず、夜中に起きて雪下ろしをする…。 その労力と精神的ストレスを考えれば、最初から「ワンランク上の安心(100cm以上)」を買っておくのが、信州暮らしの正解だと私は思います。
まとめ:信州では「オーバースペック」くらいが丁度いい
- 北信・豪雪地: 200cm一択。
- 長野市・山間部: 100cm〜150cm。
- 東信・中南信: 最低50cm、推奨100cm。
カーポートは一度設置したら、20年、30年と使い続けるものです。 その間に、記録的な大雪が来ないとは言い切れません。 愛車を守る「シェルター」として、地域の気候よりも少し余裕を持った強度を選んでください。