カーポートの種類(片側支持・両側支持・後方支持)|雪国でのメリット・デメリットと「絶対に選んではいけない」タイプ
カーポートには、柱の位置によって大きく3つの種類があります。
東京や大阪などの非積雪地では「デザイン」や「価格」で自由に選べますが、長野県では選択肢が限られます。
結論から言うと、信州では「両側支持」が基本であり、絶対的な正解です。
なぜ他のタイプではダメなのか? それぞれの特徴を、雪国視点で解剖していきましょう。
目次
1. 【片側支持(片流れ)】 都会の定番、信州の「NG」
左右どちらか片側にだけ2本の柱があり、屋根が浮いているように見えるタイプです。
ホームセンターで最も安く売られているのがこれです。
- 雪国での評価: ×(絶対におすすめしません)
- メリット:
- 安い: 10万円〜20万円程度で設置可能。
- 省スペース: 片側にしか柱がないので、狭い敷地でも設置しやすい。
- 雪国でのデメリット:
- 強度が足りない: 構造上、屋根の先端(柱がない方)に雪の重みがかかると、テコの原理で猛烈な負荷がかかります。信州の重い雪が積もると、屋根が垂れ下がるか、柱が根元から折れます。
- 恐怖: 積雪時、少し風が吹くだけでグラグラ揺れるため、見ていて生きた心地がしません。
※一部、補強柱(サポート柱)をつければ積雪50cmまで対応できるものもありますが、毎回の着脱が面倒で、信州のメイン使いには不向きです。
2. 【両側支持(4本柱〜)】 信州の「最強スタンダード」
左右両側に柱があり、4本(積雪量によっては6本・8本)で屋根をガッチリ支えるタイプです。
長野県で見かける「折板(せっぱん)カーポート」のほとんどがこの形状です。
- 雪国での評価: ◎(これ一択です)
- メリット:
- 圧倒的な強度: 雪の重みを4本の柱に分散させるため、非常に安定しています。積雪100cm〜200cm対応まで選べます。
- 安心感: 多少のドカ雪でもビクともしません。
- 雪国でのデメリット:
- 柱がジャマ: 車のドアを開ける位置に柱が来ることがあり、乗り降りが少し窮屈になる場合があります(※柱の位置を前後にずらす等の工夫で解消可能です)。
- 圧迫感: 柱が多く、屋根も厚い(折板の場合)ため、存在感が出ます。
3. 【後方支持(背面支持)】 おしゃれで快適な「新・選択肢」
柱が後ろ側にしかなく、前の部分がオープンになっているタイプです(例:YKK AP「エフルージュ」の一部モデルや、三協アルミ「エアロシェード」など)。
- 雪国での評価: △ 〜 ○(条件付きでアリ)
- メリット:
- 駐車が最高に楽: 前の柱がないので、車庫入れがスムーズ。ドアの開閉も柱に邪魔されません。
- デザイン: 浮遊感があり、モダンな住宅に非常にマッチします。
- 雪国でのデメリット:
- 価格が高い: 後ろだけで屋根を支えるために特殊な基礎と極太の柱が必要で、両側支持タイプの1.5倍〜2倍近い費用がかかります。
- 強度の限界: 最近は「積雪100cm〜150cm対応」の製品も出てきましたが、やはり構造的な安定感は「両側支持」に劣ります。豪雪地帯(北信など)では選べる製品がほとんどありません。
4. 比較まとめ:信州で選ぶなら?
| タイプ | 片側支持 | 両側支持 | 後方支持 |
| 形状 | 柱2本(片側) | 柱4本以上(両側) | 柱2本〜(後ろ) |
| 雪への強さ | × 弱い | ◎ 最強 | ○ 製品による |
| 駐車しやすさ | ○ 普通 | △ 柱が気になる | ◎ とても良い |
| 価格 | 安い | 普通 | 高い |
| 信州での判定 | 論外 | 基本(推奨) | 予算があれば |
5. 失敗しないための「柱の位置」テクニック
信州で最も推奨される「両側支持(4本柱)」ですが、デメリットである「ドアの開け閉めに柱が邪魔」という問題は、選び方次第で解決できます。
- 「奥行き」を長くする:通常より奥行きの長いタイプを選び、柱の位置を車のドアからずらす。
- 「間口(幅)」を広くする:2台用なら、少し幅広のタイプを選ぶことで、柱と車の間にスペースができ、ドアを全開にしてもぶつからなくなります。
- 「梁延長(はりえんちょう)」:屋根の幅よりも梁を長く伸ばし、柱を邪魔にならない位置まで遠ざけるテクニックです。アプローチを跨いで設置したい時などに有効です。
まとめ:デザインよりも「4本足」の安心を
おしゃれなカーポートに憧れる気持ちは分かりますが、信州において「片側支持」を選ぶのは、冬の間に後悔すること必至です。
- 基本: 迷ったら「両側支持(折板カーポート)」。
- こだわり: 予算があり、どうしてもデザインと使い勝手を優先したいなら、高強度の「後方支持」。
この2択で考えてください。
毎日使う場所だからこそ、ストレスなく、そして大雪の夜も安心して眠れる「強さ」を選びましょう。