長野県で「寒冷地リフォーム」が得意な業者の見分け方|デザインだけで選ぶと失敗する?プロが聞くべき3つの質問
長野県内には数多くの工務店やリフォーム会社がありますが、実は「寒さ対策」のレベルには天と地ほどの差があります。
- レベル1: 昔ながらの経験と勘。「断熱材を厚くしておきましたよ」と言う。
- レベル2: 一般的な知識。「次世代省エネ基準(等級4)」程度はクリアする。
- レベル3: 寒冷地のプロ。 「UA値(断熱性能)」や「C値(気密性能)」を計算し、理論に基づいて施工する。
信州の冬を快適に過ごすためには、間違いなく「レベル3」の業者を選ぶ必要があります。 では、どうやって見分ければ良いのでしょうか? 面談や見学会で投げかけるべき「3つの質問」をお教えします。
目次
質問1:「このプランの『UA値』はどれくらいになりますか?」
いきなり専門用語ですが、これが最強の質問です。
- UA値(ユーエーち)とは: 「外皮平均熱貫流率」のこと。家の中からどれくらい熱が逃げやすいかを表す数値で、数字が小さいほど高断熱です。
プロの回答例
- ◎(合格): 「この仕様なら、概ね0.46(HEAT20 G2グレード相当)を目指せます」と、具体的な数値目標が出てくる。
- △(不安): 「今の基準(等級4)はクリアしますよ」程度の回答。(※等級4は信州では寒いです)
- ×(不合格): 「UA値? うちはそういう計算はしていませんが、暖かいですよ」と、感覚で答える。
断熱リフォームは「計算」です。数値を出せないということは、設計段階で暖かさを保証できていないのと同じです。
質問2:「『気密処理』や『気流止め』はどう施工しますか?」

どんなに高い断熱材を使っても、隙間があれば冷気は侵入します。特にリフォームでは、既存の壁や床下の隙間を塞ぐ技術が不可欠です。
プロの回答例
- ◎(合格): 「床と壁の取り合いには気流止めを入れます」「コンセントボックスには防気カバーを付けます」「C値(隙間相当面積)の測定も可能です」など、具体的な施工方法を語れる。
- ×(不合格): 「しっかり断熱材を詰めるので大丈夫です」と精神論で返す。
「気密(きみつ)」や「気流止め(きりゅうどめ)」という言葉に即座に反応し、その重要性を語れる業者は信頼できます。
質問3:「窓のリフォーム提案は『樹脂サッシ』ですか?」
窓は熱の出入りが最も多い場所です。信州のリフォームにおいて、窓の提案内容で業者の本気度が分かります。
プロの回答例
- ◎(合格): 「基本は樹脂サッシのペア、できればトリプルガラスをお勧めします」「アルミサッシは結露するので使いません」
- ×(不合格): 「アルミ樹脂複合サッシで十分です」「予算を抑えるなら、ガラス交換だけにしましょう」
信州の寒冷地リフォームにおいて、アルミ枠のサッシを勧めてくる業者は、断熱への意識が低いと言わざるを得ません。
他にもある!「寒冷地」ならではのチェックポイント
上記の3大質問以外にも、現場を見せてもらう際に確認すべきポイントがあります。
① 「基礎断熱」や「凍結深度」を知っているか
床下からの冷気を防ぐために、基礎の内側(または外側)に断熱材を貼る「基礎断熱」の知識があるか。また、水道管の凍結を防ぐための「埋設深さ(凍結深度)」を遵守しているかを確認しましょう。
② 「補助金」に詳しいか
「先進的窓リノベ事業」や「信州健康ゼロエネ住宅助成金」など、断熱リフォームには多額の補助金が出ます。 寒冷地リフォームが得意な業者は、これらの申請実績も豊富で、「この仕様なら〇〇万円の補助金が使えます」とセットで提案してくれます。
③ 「サーモグラフィ」を持っているか
完成見学会などで、サーモカメラを使って「壁の温度ムラがないこと」を見せてくれる業者は、施工精度に自信がある証拠です。
まとめ:暖かさは「人柄」ではなく「技術」で選ぶ
「昔から知っている大工さんだから」 「営業の人が親切だったから」
その気持ちは分かりますが、家の性能は人柄では決まりません。 信州の厳しい冬を乗り越える家を作るのは、「物理学(断熱理論)」と「職人の技術」です。
- UA値(断熱性能)を計算できるか?
- 気密・気流止めの施工方法を知っているか?
- 樹脂サッシを標準提案しているか?
この3つをクリアする業者であれば、あなたの家は間違いなく「冬でもTシャツで過ごせる家」に生まれ変わります。 遠慮せずに、プロとしての中身を問う質問をぶつけてみてください。