古民家の「壁」DIY|漆喰と珪藻土、どっちがいい?初心者でも失敗しない塗り方と費用
「古民家の暗い和室を、明るくモダンな空間にしたい」
それなら、壁を白く塗るのが一番の近道です。
プロの左官職人に依頼すると、6畳一間で10万〜15万円ほどかかりますが、DIYなら材料費(数万円)だけで済みます。
しかも、少しコテ跡が残ったり、ムラができたりしても、それが古民家の古い柱や梁と妙にマッチして、「味」になるのが嬉しいところ。
しかし、いきなりホームセンターへ走る前に、知っておくべきことがあります。
それは、古民家の壁(土壁・砂壁)は、「そのまま塗ると剥がれ落ちる」ということです。
失敗しないための手順と、信州の気候に合った材料選びを見ていきましょう。
目次
1. 究極の選択!「漆喰」と「珪藻土」の違い
どちらも自然素材で人気ですが、性質が異なります。信州での暮らしに合わせて選びましょう。
| 特徴 | 漆喰(しっくい) | 珪藻土(けいそうど) |
| 成分 | 消石灰(石灰岩) | 植物プランクトンの化石 |
| 質感 | ツルッとしていて硬い | ザラッとしていて柔らかい |
| 機能 | 防カビ・抗菌・不燃 | 調湿(吸放湿)・脱臭 |
| 見た目 | 光を反射し、部屋が明るくなる | 光を吸収し、落ち着いた雰囲気 |
| 強さ | ボロボロ落ちにくい | 摩擦に弱く、粉が落ちやすい |
★信州の古民家へのおすすめは?
- リビング・廊下: 強度があり、部屋を明るく反射させる「漆喰」がおすすめ。
- 寝室・水回り: 湿気を吸って結露を抑える「珪藻土」がおすすめ。
2. 初心者は「練り済み」を買うべし
材料費を極限まで安くしようと「粉」の状態で買うと、水で練る作業(撹拌)が大変すぎて、塗る前に力尽きます。
また、水の分量を間違えるとひび割れの原因になります。
DIYなら、箱を開けたらすぐに塗れる「練り済み(ペースト状)」の製品を選んでください。
「うま〜くヌレール」や「漆喰うまし」などが有名です。費用は少し高くなりますが、タイパ(タイムパフォーマンス)と成功率が段違いです。
3. 成功の8割は「下地処理」で決まる
ここが最重要ポイントです。
古民家の壁は、触るとボロボロと砂が落ちる「土壁」や「砂壁」がほとんどです。この上に直接塗っても、砂ごと剥がれ落ちてしまいます。
手順①:養生(ようじょう)
柱や床に材料がつかないよう、マスキングテープとマスカー(ビニール付きテープ)で徹底的に覆います。
「塗るのが2割、養生が8割」と言われるほど大切な工程です。
手順②:シーラー(固める)
ボロボロ落ちる砂壁をカチカチに固める液体(シーラー)を塗ります。
これをサボると、後で泣きを見ることになります。
手順③:下塗り(パテ埋め)
大きな隙間や穴を埋め、平滑にします。「アク止め」の効果がある下塗り材を使わないと、数日後に土壁から茶色いシミ(アク)が浮き出てきて、真っ白な壁が台無しになります。
※古民家DIYの鉄則:
「アク止めシーラー」や「アク止め下地材」は、ケチらずたっぷり使いましょう。古い木や土のアクは強烈です。
4. 信州でDIYする時の注意点「時期とひび割れ」
冬の施工はNG!
長野県の冬(12月〜3月)に、暖房のない部屋で左官作業をしてはいけません。
壁に含まれる水分が、乾く前に「凍結」してしまい、施工不良(剥がれ・ボロボロになる)を起こします。
DIYは春〜秋の暖かい時期に行いましょう。
「ひび割れ」は愛嬌と心得る
古民家は木でできており、四季を通じて動いています。
どんなに上手に塗っても、柱と壁の境目(チリ)に隙間ができたり、地震でヒビが入ったりします。
「割れたらまた上から塗ればいいや」くらいの、おおらかな気持ちで臨むのが古民家DIYを楽しむコツです。
5. 費用目安(6畳間の場合)
- プロに依頼: 10万〜15万円
- DIY(練り済み漆喰): 3万〜5万円
- DIY(粉から練る): 1万〜2万円
DIYなら、浮いた10万円で素敵なアンティーク照明や家具を買うことができますね。
まとめ:家族の思い出を壁に刻もう
- 材料: 初心者は「練り済み」の漆喰か珪藻土を選ぶ。
- 下地: アク止めと砂壁固め(シーラー)を徹底する。
- 時期: 氷点下になる冬の施工は避ける。
真っ白な壁に、家族の手形を残したり、コテ跡で模様をつけたり。
自分たちで塗った壁は、太陽の光を受けるたびに美しい陰影を見せてくれます。
まずは、失敗しても気にならない「トイレ」や「納戸」などの小さなスペースから練習を始めてみてはいかがでしょうか?