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長野の「植栽」選び|雪や寒さに強い木・弱い木。オリーブはNG?信州の庭で失敗しないための植物図鑑

長野の「植栽」選び|雪や寒さに強い木・弱い木。オリーブはNG?信州の庭で失敗しないための植物図鑑

「春になったら、植えたはずの木が茶色くなって枯れていた」 「雪解け後、大切にしていた木の枝が無残に折れていた」

これは、移住者の方が最初に直面するガーデニングの失敗談です。 長野県の冬には、植物を枯らす3つの敵がいます。

  1. 絶対的な低温: マイナス10度以下になると、細胞が凍って死んでしまう(南国の木は耐えられない)。
  2. 雪の重み: 湿った雪が枝に積もり、物理的に枝をへし折る。
  3. 冬の乾燥と凍結: 地面が凍って水を吸い上げられず、寒風で葉から水分が奪われて「乾燥死」する。

これらに打ち勝つには、「信州仕様」の植栽選びが必要です。

1. 信州の庭で「避けるべき」弱い木(要注意リスト)

まずは、「植えたいけれど、地植えはやめた方がいい」木から紹介します。これらは関東以南では定番ですが、信州では冬越しが困難です。

❌ オリーブ

おしゃれな庭の代名詞ですが、寒さに弱いです。マイナス3度くらいが限界で、信州の冬には耐えられません。

  • どうする?: 鉢植えにして、冬の間は玄関内やサンルームに取り込みましょう。

❌ シマトネリコ

関東ではシンボルツリーとして大人気ですが、寒さに弱く、長野県(特に中北信・東信)では冬に葉を落として枯れ込むことが多いです。

  • どうする?: 似た雰囲気を持つ「アオダモ」などの落葉樹を選びましょう。

❌ ユーカリ・ミモザ

成長が早く人気ですが、以下の理由で信州には不向きです。

  • 寒さに弱い: 多くの品種が耐寒性不足です。
  • 枝が折れやすい: 成長が早すぎて枝が柔らかいため、雪の重みで簡単に裂けたり倒れたりします。

2. 信州の冬に勝つ!おすすめの「強い木」(推奨リスト)

信州の自生種や、寒冷地に適応した木を選べば、手間をかけずに元気に育ちます。

⭕️ アオダモ(落葉樹)

今の信州ガーデンの主役です。

  • 特徴: 涼しげな立ち姿と、美しい幹肌。
  • 強さ: 寒さに非常に強く、落葉樹なので冬は葉がなく、雪が積もりにくいため折れる心配も少ないです。

⭕️ ジューンベリー(落葉樹)

花・実・紅葉と3度楽しめる、お得な木です。

  • 特徴: 春に白い花が咲き、初夏に赤い実(食べられます)がなり、秋は真っ赤に紅葉します。
  • 強さ: 非常に耐寒性が高く、病害虫にも強いので初心者向きです。

⭕️ イロハモミジ・ヤマモミジ(落葉樹)

日本の四季を感じるならこれ。

  • 特徴: 信州の寒暖差のおかげで、紅葉の色づきが平地より圧倒的に鮮やかになります。
  • 強さ: 自生している木なので、気候に完全に適応しています。

⭕️ プンゲンス・トウヒ(針葉樹)

「クリスマスツリー」のような木です。

  • 特徴: 銀青色の葉が美しいコニファー類。
  • 強さ: 寒冷地原産なので寒さには無敵。ただし、枝が水平に広がるため雪が積もりやすく、冬囲い(雪吊り)が必要です。

3. 意外と難しい「常緑樹(冬も葉がある木)」の選び方

「冬も緑が欲しい」「目隠しにしたい」という場合、常緑樹を選びますが、ここが一番の難関です。 葉っぱがある=雪が積もる=折れやすいからです。

⚠️ ソヨゴ(常緑樹)

寒さに比較的強く、赤い実が可愛い人気種ですが、雪には注意が必要です。

  • 対策: 枝が折れやすいので、冬は縄で枝を縛ってスリムにするなどの対策が必須です。

⭕️ シラカシ・アラカシ(常緑樹)

防風林や生垣に使われる、非常に丈夫な木です。

  • 強さ: 寒さにも雪にも強いですが、成長が早く大きくなりすぎるため、定期的な剪定(せんてい)が必要です。

4. 信州ガーデナーの常識「冬囲い」と「マルチング」

強い木を選んでも、植えたばかりの1年目の冬は、根が張っていないため弱いです。 人間がコートを着るように、木にも防寒対策をしてあげましょう。

① 雪吊り(ゆきつり)・冬囲い

金沢の兼六園のような立派なものでなくても構いません。 荒縄で枝を束ねたり、支柱を立てて雪の重みを分散させたりして、枝が折れるのを防ぎます。

② 幹巻き(みきまき)

寒さで樹皮が裂ける「凍裂(とうれつ)」を防ぐため、幹にコモ(藁のむしろ)や専用のテープを巻きます。

③ マルチング(根元の保温)

根元の土が凍結乾燥するのを防ぐため、バークチップや腐葉土を厚めに敷き詰めます。

まとめ:その土地の「自生種」が一番美しい

信州で庭木を選ぶ際の究極のコツは、「近所の山や、古い家の庭に植わっている木を見る」ことです。 何十年もそこで生きている木こそが、その土地の気候に合った「正解」だからです。

  • NG: オリーブ、シマトネリコ、ミモザ(雪で折れる、寒さで枯れる)
  • OK: アオダモ、モミジ、ジューンベリー(寒さに強く、雪を受け流す)

無理をして南国の木を植えてハラハラするより、信州の風土に合った木を植えて、季節の移ろいを安心して楽しむ。 それが、信州らしい豊かな庭づくりの第一歩です。