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雪対策・カーポート

物置・ガレージの積雪強度【長野県】一般型と多雪型の差は2.7万円以内、基礎と建築確認

物置・ガレージの積雪強度【長野県】一般型と多雪型の差は2.7万円以内、基礎と建築確認

スチール製の物置とガレージには、雪の重さに応じた区分があります。イナバ物置の場合、一般型は1㎡あたり1,200N(雪の高さの目安60cm)、多雪型は3,100N(同100cm)、豪雪型は4,500N(同150cm)です。同じ大きさの物置なら、一般型と多雪型の価格の差は0〜27,000円にとどまります(フォルタ98機種、税抜の本体価格)。

長野県では、建物の設計に使う「垂直積雪量」が60cmを超える市町村が多く、一般型では数字の上で足りない地域が広くあります。長野県で物置やガレージを買う人に向けて、区分の選び方、価格の差、基礎、建築確認と固定資産税の扱いを、メーカーの公式の資料と公的な基準でまとめます。

積雪の区分と、耐えられる雪の重さ

イナバ物置は、公式の「よくあるご質問」で、3つの区分を次のように示しています。

区分耐えられる雪の重さ(1㎡あたり)雪下ろしの目安
一般型1,200N60cm以上積もる前に下ろす
多雪型3,100N1m以上積もる前に下ろす
豪雪型4,500N1.5m以上積もる前に下ろす
  • 雪の高さは目安です。イナバ物置は、一般型は雪1cmを1㎡あたり20N、多雪型と豪雪型は30Nとして計算しています。湿って重い雪は、同じ高さでもこれより重くなります
  • ヨドコウ(ヨド物置)は、区分を一般型・積雪型・豪雪型と呼びます。計算の前提は同じです。選べる区分は機種で違うので、カタログで確かめてください

ガレージは、区分が2つの機種がある

イナバ物置のガレージ「ガレーディア」は、一般型(1,200N)と豪雪型(4,500N)の2つで、多雪型はありません。ヨドコウのガレージ「ラヴィージュⅢ」は、一般地型が1,200N、豪雪地型が4,500Nで、あいだに積雪地型があります。豪雪型のガレージを2棟以上つなげると、庫内に柱が立つ機種があります。

同じ大きさで、価格はいくら変わるか

イナバ物置の公式サイトの製品ページと2026年版の総合カタログに載っている本体価格です(2026年10月13日に確認。税抜で、組立費・基礎工事費・運賃は含みません)。

機種(幅×奥行×高さ、床面積)一般型多雪型豪雪型
物置 フォルタ FS-2214S(2,210×1,370×2,085mm、3.03㎡)215,000円216,000円(+1,000円)218,000円(+3,000円)
物置 フォルタ FS-2630S(2,630×3,050×2,085mm、8.02㎡)420,000円429,000円(+9,000円)429,000円(+9,000円)
ガレージ ガレーディア GRN-2657S(2,630×5,775×2,360mm、15.19㎡)581,000円設定なし623,000円(+42,000円)
ガレージ ガレーディア GRN-2657SL-2(2棟をつなげた形。5,260×5,775×2,360mm、30.38㎡)995,000円設定なし1,097,000円(+102,000円)
  • 物置のフォルタは、公式サイトに載っている98機種のうち20機種で、一般型と多雪型が同じ価格です。差がある機種でも、多雪型は最大27,000円、豪雪型は最大44,000円の上乗せです
  • ガレーディアは、1棟の機種で、豪雪型が24,000〜60,000円高くなります
  • イナバ物置は、2027年1月1日から価格を約4〜5%上げると発表しています(2026年10月9日の発表)。上の金額は改定前のものです

本体のほかにかかる費用

カタログの「標準組立費」は、フォルタ FS-2214S で26,000円、FS-2630S で50,000円です(税抜)。運賃、基礎工事費、転倒防止工事費、ブロック代、オプションの取り付け費は含まれていません。ブロックは FS-2214S で10個、FS-2630S で20個が別に要ります。ガレージの床に打つコンクリートの費用は土間コンクリートの費用相場が参考になります。

住んでいる市町村の「垂直積雪量」と照らす

垂直積雪量は、建物の構造を計算するときに使う雪の深さで、市町村や区域ごとに決まっています。建築基準法施行令は、雪1cmの重さを1㎡あたり20N以上として計算するよう定めています。長野県は、垂直積雪量が1m以上の区域を多雪区域とし、そこでは30Nを使います(長野県「構造計算における各基準値について」)。

この決まりに当てはめて、1㎡あたりの雪の重さを計算した表です(重さは、この記事で掛け算したものです)。

市町村(区域)垂直積雪量雪の重さ(計算)数字の上で届く区分
長野市(犀川より北で標高900m未満、若穂)80cm1,600N多雪型から
松本市(四賀・安曇・奈川・梓川・波田を除く)78cm1,560N多雪型から
茅野市(市役所の地点)76cm1,520N多雪型から
諏訪市・軽井沢町(役場の地点)73cm1,460N多雪型から
佐久市(市役所の地点)60cm1,200N一般型と同じ値で、余裕がない
上田市・伊那市(市役所の地点)50cm1,000N一般型で届くが、余裕は200N
飯山市(区域ごとに200cm以上)200cm以上6,000N以上豪雪型でも届かない
  • 垂直積雪量が60cmを超える市町村では、一般型は数字の上で足りません。県の算出シートで役場の地点が60cmを超えるのは、小諸市、塩尻市、岡谷市、須坂市など35市町村です
  • 飯山市、白馬村、小谷村、信濃町、野沢温泉村、栄村など、垂直積雪量が150cmを大きく超える区域では、豪雪型の4,500Nでも届きません。施行令は、雪下ろしの慣習がある地方では、垂直積雪量を1mまで減らして計算できると定めています。雪下ろしを前提にどの区分を選ぶかを、販売店と建設事務所に確かめてください

地域ごとの目安はカーポートの積雪強度の選び方でも解説しています。

基礎と転倒防止:ブロックに置くだけでは足りない

イナバ物置もヨドコウも、強風などで倒れるおそれがあるとして、転倒防止の工事(アンカー工事)を必ず行うよう求めています。

基礎の種類内容(イナバ物置の説明)使う場面
ブロックを置く基礎付属の金具を使う。地面が土なら穴を掘って金具を付け、コンクリートを流す。地面がコンクリートなら、市販のアンカーで金具を固定する床のある物置を、ブロックの上に据えるとき
コンクリートの布基礎基礎から立ち上げたボルトと、物置の柱の下をつなぐ。強風や地震に対する強度を建築基準法に合わせるときは、この基礎が要る強度を建築基準法に合わせる必要があるとき
土間コンクリート床のない機種で、地面をコンクリートで仕上げる。シャッター式の前の柱は、穴を掘ってコンクリートで埋める床のないガレージ、重い機械を入れる物置

凍った地面が基礎を持ち上げる

イナバ物置は、寒冷地では地盤が凍って持ち上がり(凍上)、扉の開け閉めに支障が出ることがあるとしています。ヨドコウは、公式の「よくある質問」で、寒冷地では凍った土で中型・大型の物置が傾くことがあるので、凍結深度まで基礎を埋め込むか、販売店に相談するよう案内しています。

凍結深度は、地面が凍る深さです。建築の基礎に使う値は、長野市が45cm以上(標高がおおむね800mを超える地点は60cm以上)、松本市が40.5cm(四賀50〜60cm、安曇70〜80cm、奈川60cm、梓川・波田70cm)と、それぞれの市が定めています。長野県は値を定めていないので、ほかの市町村では、業者がふだん使っている深さを見積もりで聞いてください。

建築確認は要るか

屋根と壁があり、土地に定着している物置やガレージは、既製品でも建築基準法の「建築物」です。建築確認が要るかどうかは、大きさと場所で次のように分かれます。

場合建築確認根拠
外から物を出し入れし、中に人が入らない小さな物置(奥行1m以内・高さ2.3m以下・床面積5㎡以内、または高さ1.4m以下)建築物に当たらず、不要国土交通省の技術的助言(2015年)と、長野県の取扱い(2021年4月施行)
家がある敷地に建て増す。防火地域・準防火地域の外で、床面積の合計が10㎡以内不要建築基準法第6条第2項
床面積が10㎡を超える必要建築基準法第6条第1項
防火地域・準防火地域の中面積にかかわらず必要同第6条第2項が当てはまらない
建物のない土地に、物置やガレージだけを建てる面積にかかわらず必要増築ではなく新築になる
  • 小さな物置の数字は、長野県が県内全域の扱いとして定めたものです(長野県「小規模な倉庫の取扱いについて」)。国の助言そのものには寸法の数字がなく、条件は県や市で違います
  • ガレーディアは、いちばん小さい機種(9.11㎡)を除いて10㎡を超えます。GRN-2657S は15.19㎡です。ガレージは建築確認が要ると考えて、費用と日数を見積もりに入れてください
  • 表の「必要」は、都市計画区域や準都市計画区域などの中の場合です。区域の外では扱いが変わるので、建設事務所か市の窓口に確かめてください
  • 確認が不要な場合でも、建築物であることは変わりません。建ぺい率などの決まりは、敷地全体で見られます

申請を省いたときに起きることや、建ぺい率の考え方はカーポートの固定資産税と建築確認で解説しています。

固定資産税はかかるか

固定資産税がかかる「家屋」は、屋根と壁があること、土地に定着していること、目的の用途に使えること、の3つを満たすものです。物置は屋根と壁があり、物をしまう用途もあるので、土地に定着しているかどうかで分かれます。

  • ブロックの上に置いただけの物置は、土地に定着していないとして、課税の対象にならないとする市があります(埼玉県熊谷市、大阪府箕面市の案内)
  • 基礎工事をして、簡単に動かせない物置やガレージは、課税の対象になります。箕面市は、ブロックの基礎を施した物置や組立式のガレージを対象の例に挙げています
  • 判断するのは市町村です。設置する前に、税務の窓口に確かめてください

転倒防止の工事は、税の扱いとは別の話です。メーカーは、どの置き方でも転倒防止の工事を必ず行うよう求めています。

置き場所と使い方で、よくある失敗

  • 家の屋根から雪が落ちる場所に置く:イナバ物置は、母屋の屋根からまとまった雪や雨が直接落ちてくる場所への設置を避けるよう求めています。区分の数字は屋根に積もる雪の重さの分類で、落ちてくる雪の衝撃は別です
  • 物置の屋根の雪が隣の敷地に落ちる:屋根の傾きの向きと、境界からの距離を先に決めます
  • 周りに雪を積み上げる:物置の周りにたまった雪は、横から壁を押して変形させます。雪を置く場所は雪かきを楽にする外構設計を参考に、先に決めておきます
  • 結露で中の物がぬれる:雪や寒さで屋根の裏が冷えると、結露します。イナバ物置には、屋根の裏に結露を減らす材料を付けた屋根があります(FS-2214S で21,300円、ガレーディア GRN-2657S で46,900円。税抜)。ガレーディアでは、あとから貼ることができないので、注文のときに決めます。結露を止めるものではないので、換気と合わせて使います
  • 屋根に乗って雪を下ろす:ヨドコウは、雪下ろしのときに屋根に乗らないよう求めています。扱いはメーカーで違うので、取扱説明書で確かめます

冬用のタイヤをしまう人は、タイヤが入る奥行と、棚が耐えられる重さを機種ごとに確かめてください。イナバ物置には、タイヤ専用の小型の物置もあります。

見積もりで確かめること

  1. 積雪の区分:見積書の型番が、一般型・多雪型・豪雪型のどれか。設置する場所の垂直積雪量と照らしたか
  2. 基礎の種類と深さ:ブロックを置く基礎か、布基礎か、土間コンクリートか。凍結への備えをどうするか
  3. 転倒防止の工事:方法と費用が、見積もりに入っているか
  4. 本体のほかの費用:組立費、運賃、ブロック代、オプションの取り付け費、古い物置の処分
  5. 建築確認:要るかどうかを、だれが窓口に確かめるか。申請の費用と日数
  6. 価格の時点:2027年1月の価格改定の前か後か

雪の多い地域での施工に慣れているかどうかは、雪国の外構業者の選び方を参考にしてください。

よくある質問

長野県なら、どの区分を選べばよいですか

垂直積雪量が60cmを超える市町村では、多雪型以上が目安です。60cm以下の市町村でも、差額が0〜27,000円(フォルタの場合)なので、多雪型を選ぶと余裕ができます。1m以上の区域では、豪雪型を基本に、雪下ろしの計画と合わせて決めます。

10㎡以下の物置なら、申請は何も要りませんか

防火地域や準防火地域の中、または建物のない土地に物置だけを建てる場合は、10㎡以下でも建築確認が必要です。用途地域による制限もあります。メーカーも、買う前に市町村の建築の窓口に相談するよう案内しています。

まとめ

  • イナバ物置の区分は、一般型1,200N(目安60cm)、多雪型3,100N(同100cm)、豪雪型4,500N(同150cm)です
  • 一般型と多雪型の差は、物置のフォルタで0〜27,000円です(税抜の本体価格、2026年10月時点)
  • 長野市の犀川より北は80cm、松本市は78cmなど、垂直積雪量が60cmを超える市町村では、一般型は数字の上で足りません
  • 転倒防止の工事は必ず行い、凍結に備えた基礎の深さを業者に確かめます
  • 建築確認は、防火地域・準防火地域の外で、建て増しが10㎡以内なら不要です。車1台用のガレージの多くは10㎡を超えます
  • 固定資産税は、基礎で土地に定着しているかどうかで分かれます