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雪国(長野)の「フェンス・目隠し」選び。おしゃれな横板が折れる理由と、雪圧に勝つ3つの鉄則

雪国(長野)の「フェンス・目隠し」選び。おしゃれな横板が折れる理由と、雪圧に勝つ3つの鉄則

「フェンスなんて、風さえ防げれば何でもいいのでは?」 いいえ、雪国においては違います。 雪解けの季節、ひしゃげたり、柱が根元から曲がったりしているフェンスを見かけることがありますが、これは積もった雪の重さと、除雪で寄せられた雪の圧力に負けた結果です。

特に、プライバシー確保のために人気の「目隠しタイプ(隙間がないもの)」は、雪国では凶器になりかねません。 数年で買い換える羽目にならないよう、信州の外構計画で守るべき鉄則をお伝えします。

1. なぜフェンスは壊れるのか?「雪圧」の正体

フェンスにかかる負担は、空から降ってくる雪の重さだけではありません。

① 「雪の壁」による横からの圧力

フェンスの横に雪が積もると、その雪が固まり、巨大な壁となってフェンスを横方向から押し潰そうとします。これが「雪圧(せつあつ)」です。 特に、目隠しのために「板の隙間が狭い」フェンスを選ぶと、雪の逃げ場がなくなり、まともに圧力を受けてボキッと折れます。

② 「雪捨て場」としての負荷

これが一番の原因です。雪かきをした雪を、フェンス際に積み上げていませんか? 圧縮された雪山は、コンクリート並みの硬さと重さになります。それを華奢なアルミフェンスに押し付ければ、ひとたびもありません。

2. 鉄則①:デザインは「縦格子(たてごうし)」を選ぶ

信州でフェンスを選ぶ際、デザインの第一候補は「縦格子」です。

  • 縦格子のメリット: 縦に棒が並んでいるため、雪が格子の隙間から向こう側へ抜け落ちやすく、雪の重みがフェンスに掛かりにくい構造です。また、足をかける場所がないため防犯性も高いです。
  • 横板張り(ボーダー)のリスク: おしゃれな横板フェンスは、雪が板の上に積もりやすく、さらに横からの圧力も面で受けてしまうため、雪国では破損リスクが非常に高いです。

【どうしても横板にしたいなら】 板と板の隙間が広いものを選ぶか、強度の高い「スチール製」や「高強度アルミ」を選んでください。

3. 鉄則②:足元を空ける(地面から離す)

カタログ写真のフェンスは、地面ギリギリまであることが多いですが、信州ではNGです。

  • 下の隙間を広めにとる: 地面からフェンスの下端まで、10cm〜15cm以上の隙間を空けて設置してください。 ここが埋まっていると、地面の凍上(盛り上がり)や、積もった雪に押されて、フェンス全体が持ち上げられて歪んでしまいます。 また、下の隙間から雪を向こう側に押し出すこともできます。

4. 鉄則③:素材は「スチール」か「樹脂」か「アルミ」か

素材によって強度が全く違います。

アルミ形材(一般的なフェンス)

  • 強度: △ 〜 〇
  • 特徴: 錆びなくて軽いですが、衝撃には弱いです。雪圧で曲がりやすいので、柱の太い「多雪地域対応」グレードを選ぶ必要があります。

スチール・メッシュ(金網)

  • 強度:
  • 特徴: 公園などで見るタイプ。雪が通り抜けるため雪圧をほとんど受けず、最強です。
  • 欠点: 「目隠し」には全くなりません。植栽と組み合わせるのがおすすめです。

人工木・樹脂フェンス

  • 強度:
  • 特徴: 本物の木のような温かみがありますが、樹脂は寒さで硬化し、衝撃で割れやすくなる性質があります。また、熱による伸縮が大きいので、施工には注意が必要です。

5. 「目隠し」と「雪対策」を両立させる裏技

「縦格子やメッシュが良いのは分かったけど、それじゃ家の中が丸見えじゃないか!」 という切実な悩みに対する解決策です。

解決策A:フェンスではなく「植栽」で隠す

スチールメッシュフェンス(境界用)の内側に、コニファーやソヨゴなどの常緑樹を植えます。 木は雪の重みを柔軟に受け流してくれますし、完全に塞ぐよりも柔らかく視線をカットできます。

解決策B:「多段フェンス」にする

フェンスを2段重ねにします。

  • 下段: 雪圧のかかる下の方は、雪が抜ける「メッシュフェンス」や「縦格子」。
  • 上段: 視線を遮りたい上の方だけ「目隠しパネル」にする。 これなら、雪の被害を避けつつ、プライバシーを守れます。

解決策C:必要な場所だけ「スクリーン」

敷地全体を囲うのではなく、リビングの窓の前だけ、強度の高い「スクリーンフェンス」や「デザインウォール(壁)」を設置します。 ピンポイントなら予算をかけて頑丈に作れます。

まとめ:フェンスは「雪の逃げ道」を塞がない

  1. 形状: 雪が抜ける「縦格子」がベスト。
  2. 設置: 地面からしっかり隙間を空ける。
  3. 目隠し: 上部だけ隠すか、植栽を併用する。

一番やってはいけないのは、「敷地境界ギリギリに、背の高い完全目隠しフェンスを立てて、その隙間に雪を詰め込むこと」です。これは春に必ず壊れます。

「冬の間、雪をどこに置くか?」 この計画なしにフェンスを設置してはいけません。 地元のエクステリア業者は、その地域の積雪量を知っています。「この場所なら、この強度のフェンスじゃないと持たないよ」というアドバイスに耳を傾けてください。