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雪対策・カーポート

カーポートの積雪強度|長野は100cm以上、差額は約20万円

カーポートの積雪強度|長野は100cm以上、差額は約20万円

長野県でカーポートを選ぶときに、いちばん迷うのが「どこまでの強度にするか」です。強度を上げると柱が増え、梁(はり)が太くなり、価格も上がります。

結論から言うと、長野県では積雪100cm対応以上が目安で、50cm対応との差額は2台用で約20万円です。街でよく見る「積雪20cm対応」のカーポートは、県内のどの地域でも強度が足りません。なぜ足りないのか、地域ごとにどの強度を選ぶか、いくら変わるかを順に解説します。

積雪20cm対応のカーポートが、長野で潰れる理由

半透明の屋根(ポリカーボネート)で、片側にだけ柱があるカーポートは、メーカーの基準で「積雪20cm対応(一般地用)」として作られています。2014年(平成26年)の大雪では、「雪が少ない地域だから普通のカーポートで大丈夫だと思った」という家で、倒壊が相次ぎました。

ひと晩で20cmを超える

長野県では、ひと晩で30〜50cm積もることが珍しくありません。寝ているあいだは雪下ろしができないので、「こまめに下ろせば大丈夫」という前提が成り立ちません。

片側の柱2本では支えきれない

一般地用は、細いアルミの柱2本(片側支持)で屋根を支えています。ここに数百キロの雪が載ると、柱の付け根に大きな力がかかり、柱が折れるか、屋根が抜け落ちます。一度曲がったアルミは元に戻りません。柱の立て方による違いは片側支持と両側支持の違いで詳しく解説しています。

長野の雪は重い

問題は雪の量より重さです。長野県、とくに中信・東信・南信の雪は湿り気を含んでいます。日中に少し溶けた雪が夜に凍り、その上にまた積もるので、同じ高さでも重くなります。

雪の状態1㎥あたりの重さ
新雪(ふわふわの雪)約50〜150kg
しまり雪(積もって締まった雪)約150〜500kg
ざらめ雪(一度とけて固まった雪)約300〜500kg

出典は防災科学技術研究所「雪おろシグナル」です。

車2台分(約30㎡)の屋根に50cm積もると、重さは数トンになります。

強度の違いは、骨組みの違い

積雪100cm対応と200cm対応の違いは、ひとことで言えば鉄の量です。

強度柱梁・基礎
積雪50〜100cm対応4本(片側2本ずつ)が主流標準的な太さ
積雪150〜200cm対応6〜8本梁が太く、本数も増える。柱を埋めるコンクリートも大きくなる

長野で選ばれているのは「折板(せっぱん)」の屋根

雪国で見かける、金属の板を波形に折り曲げた屋根のカーポートです。太い柱が両側から支え、屋根はガルバリウム鋼板などの金属で、人が乗って雪下ろしができる強さがあります。

  • 光を通さないので、夏は日差しを遮って車内の温度が上がりにくくなります
  • そのぶん家の中が暗くなることがあるので、居間の窓の前は避けるなどの配慮が要ります
  • 木目調の枠や黒い色など、住宅になじむ製品(LIXIL「カーポートST」、YKK AP「ジーポートPro」など)も増えています

屋根の素材ごとの違いと価格はカーポートの屋根材の比較にまとめています。

地域別:長野県で選ぶ積雪強度の目安

長野県は南北に長く、標高の差も大きいので、必要な強度は地域で変わります。

地域目安の強度考え方
豪雪地帯(飯山市・信濃町・小谷村・白馬村など)積雪150〜200cm対応雪下ろしをしない前提なら200cm対応(柱6〜8本)
長野市の北側・大町・標高の高い地域積雪100〜150cm対応100cm対応を基本に、屋根からの落雪がある場所は150cm対応に上げる
上田・佐久・松本・諏訪・伊那積雪50〜100cm対応垂直積雪量が75cmまでの場所は50cm対応から。75cmを超える場所(松本市の市街地78cm、茅野市・富士見町76cmなど)は100cm対応

豪雪地帯(北信・小谷・白馬など)

飯山市、信濃町、小谷村、白馬村などの雪の多い地域では、積雪200cm対応を選びます。150cm対応だと、ひと晩の大雪で埋まったときに、早朝から雪下ろしが必要になります。

長野市の北側・大町・山間部

ふだんはそれほど降らなくても、数年に一度の大雪で1m近く積もることがあります。積雪100cm対応を基本にして、建物の屋根から雪が落ちてくる場所に建てるなら150cm対応に上げます。

上田・佐久・松本・諏訪・伊那

「雪が少ないから」と油断しやすい地域です。ふだんの冬は少なくても、まれな大雪に備える必要があります。垂直積雪量が75cmまでの場所は積雪50cm対応から、75cmを超える場所は100cm対応が目安です。松本市の市街地(78cm)や茅野市・富士見町(76cm)は、50cm対応では足りません。

市町村の「垂直積雪量」を確かめる

建物の構造計算に使う「垂直積雪量」は、市町村ごとに決まっています。長野市は平地でも55〜80cm(長野市の基準)、松本市は一部の地区を除いて78cmです。上田市は市が、それ以外の市町村は長野県が定めています。ただし、カタログの「積雪○cm相当」は1cmあたり30N/㎡で計算した表記で、垂直積雪量1m未満の場所の建築の計算(1cmあたり20N/㎡)とは物差しが違います。垂直積雪量(cm)×20N(1m以上の多雪区域は30N)で屋根1㎡あたりの重さを出し、それ以上の製品(カタログの「N/㎡」)を選んでください。垂直積雪量75cmなら1,500N(50cm相当)、76〜99cmなら3,000N(100cm相当)です。77市町村の値と目安の区分は長野県77市町村の垂直積雪量とカーポートの区分にまとめています。

カタログの数値を、そのまま信じてはいけない理由

「100cm対応を買ったから、90cmまでは放っておいて大丈夫」と考えると、カーポートは潰れます。理由は2つあります。

理由1:長野の雪は比重が重い

メーカーの基準は新雪(比重0.3)です。一度溶けて凍った雪や春先の湿った雪は、比重が0.5〜0.7になることがあります。見た目の高さが50cmでも、重さは100cm分に達していることがあります。

理由2:屋根から落ちてくる雪の衝撃

建物のすぐ横に建てると、屋根から落ちる雪が直撃します。落ちてくる雪は、自然に積もった雪より密度が高く、衝撃も大きくなります。落雪がある場所に建てるなら、その地域の目安より1段上の強度を選びます。落雪や日当たりの失敗例はカーポート設置でよくある失敗で紹介しています。

強度を上げると、いくら高くなるか

2台用の折板カーポートで、同じメーカー・同じシリーズのまま強度だけを上げた場合の一例です(本体と標準の工事費。全国の相場をもとにした目安)。

強度価格の目安50cm対応との差
積雪50cm対応約70万〜90万円—
積雪100cm対応約90万〜110万円+約20万円
積雪150cm対応約110万〜140万円+約40万円
積雪200cm対応約100万〜150万円(メーカーによる幅)—
  • メーカーやデザインを変えると、同じ積雪100cm対応の2台用でも、約70万〜120万円の幅があります
  • 150cm対応から上は、柱が6〜8本に増えるぶん高くなります
  • 地面をコンクリートにする工事(土間コンクリート)は、この金額に含まれていません

雪で潰れたカーポートの下敷きになった車を直し、カーポートを撤去して建て直す費用を考えると、はじめから余裕のある強度を選ぶほうが安く済みます。台数ごとの相場と、本体のほかにかかる費用は雪国のカーポート費用相場をご覧ください。

まとめ

  • 積雪20cm対応(一般地用)は、長野県のどの地域でも強度が足りません
  • 北信の豪雪地帯は200cm対応、長野市の北側や山間部は100〜150cm対応。東信・中信・南信は、垂直積雪量が75cmまでなら50cm対応から、75cmを超えるなら100cm対応です
  • カタログの数値は新雪が前提です。湿った雪や屋根からの落雪がある場所は、1段上を選びます
  • 50cm対応と100cm対応の差は、2台用で約20万円です

カーポートは一度建てると20年、30年と使います。住んでいる市町村の垂直積雪量を確かめたうえで、地元の外構業者に相談してください。