保存
補助金・ローン

長野県の解体補助金 77市町村一覧|空き家・古い家の解体費の目安は坪3万〜3.5万円

長野県の解体補助金 77市町村一覧|空き家・古い家の解体費の目安は坪3万〜3.5万円

家を取り壊すときは、市町村の補助が使えることがあります。長野県の77市町村の公式ページを確かめたところ(2026年10月7日時点)、解体に使える補助がある市町村は59ありました。補助は大きく2つに分かれます。耐震性の足りない古い家を取り壊す補助(41市町村)と、空き家・老朽化した空き家を解体する補助(47市町村)です。

この記事では、まず解体費の目安と、解体の前に要る手続きをまとめ、そのあと77市町村の補助を地区ごとの表にしました。表の補助の名前から、市町村の公式ページを開けます。

解体費の目安:県の相談会の記録では坪3万〜3.5万円

長野県は、市町村が開く空き家の相談会に専門家を派遣しています(空家等対策支援専門家派遣事業)。その記録に、坂城町の相談会で解体業者が示した目安が載っています。

  • 令和6年10月23日:「解体の目安として一坪当たり35,000円の価格が提示された」(記録)
  • 令和7年9月27日:「解体費用については、坪3万円くらいが目安」(記録)
  • 令和7年10月8日:同じく坪3万円くらいが目安で、「家につながる道が狭いようなので、若干高くなる」「解体に必要な期間としては3週間くらい」(記録)

この目安に建物の広さ(延べ床面積)を掛けると、次のようになります。実際の見積もりではなく、目安から計算した数字です。

延べ床面積坪3万〜3.5万円で
計算した解体費
20坪(約66㎡)60〜70万円
30坪(約99㎡)90〜105万円
40坪(約132㎡)120〜140万円
50坪(約165㎡)150〜175万円

坂城町の記録は、県内の一つの町で示された目安です。地域・業者・建物で金額は変わり、同じ記録にも「業者によっては、解体の手順・方法、廃棄物の処理の仕方、養生のやり方等に違いがあるため、数社からの見積もり徴取が望ましい」と書かれています。

費用が高くなるのはこんなとき

県の相談会の記録では、解体業者が次のような点を挙げています。

  • 道が狭く、4t車が入れない(坂城町)
  • アスベストを含む建材がある(坂城町)。廃墟になった空き家で、アスベストを含むスレートの外壁材が床に散らばっていて、回収にかなりの費用がかかるという例もありました(大桑村)
  • 茅葺・土壁の家(坂城町)
  • 家の中に家財が残っている:手作業で運び出すため、意外に処分費がかかる(南相木村)。家具などの生活用品が多いと、残った物の処分費が建物の解体費を上回ることもある(飯島町)
  • 建物が崩れている:分別の手間が余計にかかり、解体費が高くなるケースが多い(大桑村)

見積もりを比べるときは、家財の処分、庭木・庭石・ブロック塀、物置や車庫、浄化槽などが、解体費に入っているか、別の費用かを確かめてください。補助の対象にならない費用もあります(たとえば朝日村の補助は、家財の撤去費を対象外としています)。

解体の前に要る手続き

  • アスベストの事前調査:解体の前に、アスベストを使っているかを調べます。床面積の合計が80㎡以上の建物の解体は、使っているかどうかに関わらず、調査の結果を県(長野市・松本市は市)に報告します(令和4年4月1日から)。令和5年10月1日からは、調査に一定の知見を持つ人(資格者)を使うことが義務になっています。結果は工事現場に掲示します(長野県「アスベストに関する長野県の取組み」)
  • 建設リサイクル法の届出:床面積の合計が80㎡以上の建物の解体は、工事を頼む人(発注者)が、工事に着手する日の7日前までに届け出ます(長野県「建設リサイクル法のご案内」、松本建設事務所の案内)。届け出るのは発注者なので、書類をだれが用意するか、見積もりのときに業者と確かめましょう
  • 解体業者の登録・許可:解体工事を請け負う業者は、県知事の解体工事業の登録か、建設業の許可が要ります(長野県「解体工事業登録について」)。市町村の補助にも、登録・許可のある業者に頼むことを条件にしているものがあります(阿智村・青木村・朝日村・東御市など)
  • 建物の滅失登記:建物を取り壊したら、1か月以内に滅失の登記を申請します(不動産登記法第57条)。補助の条件に滅失登記を入れている村もあります

家を取り壊したあとは、土地の固定資産税の住宅用地の特例が使えなくなることがあります。税金のことは空き家解体と固定資産税の記事で解説しています。

市町村の解体の補助は2種類

1. 耐震性の足りない古い家を取り壊す補助(41市町村)

昭和56年5月31日以前に着工した家で、耐震診断の結果、倒壊の危険があると判断された家の取り壊し(除却)に出る補助です。長野県のページでは上限97.86万円とされ、県が補助を行う市町村を助成しています(長野県「耐震改修・除却(助成金)」)。

  • 多くの市町村は費用の1/2・上限97.8万〜97.86万円です(市町村によって書き方が違います)
  • 建て替えるときだけ対象にしている市町村があります(茅野市・伊那市・岡谷市・下諏訪町・諏訪市など。表に書きました)
  • 多くは、市町村の耐震診断を先に受けることが条件です。診断は無料の市町村が多くあります
  • 耐震改修(補強)の補助は、長野県の耐震改修補助金 77市町村一覧にまとめています

2. 空き家・老朽化した空き家を解体する補助(47市町村)

市町村が独自に出している補助です。上限は10万〜400万円と幅があり、条件も市町村ごとにかなり違います。主な条件は次のとおりです。

  • 老朽化して危険と判定されたもの:市町村の事前調査で「老朽危険空き家」「不良住宅」などと判定されたものに限る(長野市・中野市・松本市・上田市など)
  • 跡地の使い道:跡地に家を建てる、空き家バンクに登録する、住宅用地として売る、などが条件のもの(上松町・木島平村・松川村・宮田村・泰阜村など)。逆に、建て替えのための解体は対象外という補助もあります
  • 業者:町内・村内の業者に頼むことが条件のもの(茅野市・飯島町・木祖村・小谷村など)
  • 空き家になってからの期間:1年以上、3年以上など

77市町村の解体の補助の一覧

2026年10月7日に、当サイトが市町村の公式ページで確かめた内容です。「—」は、公式ページで解体の補助が見つからなかったものです。補助は年度の途中で予算に達して終わることがあり、条件も細かく決まっています。申し込む前に、必ず市町村の窓口で確かめてください。

北信(14市町村)

市町村耐震性の足りない
古い家の取り壊し
空き家などの解体
長野市費用の1/2・上限97.8万円(補助は床面積×9,100円まで)老朽危険空き家:1/2・上限100万円(所得による上乗せあり)
令和8年度は受付終了
須坂市—老朽危険空き家:4/5・上限100万円
令和8年度は受付を一時停止
中野市費用の1/2・上限97.8万円老朽危険空き家:4/5・上限100万円(居住誘導区域内は200万円)
飯山市費用の1/2・上限97.86万円
令和8年度の申請は終了
—
千曲市費用の1/2・上限97.8万円(建て替え以外は50万円)老朽危険空き家:1/2・上限100万円/道に接しない空き家:1/2・上限50万円
小布施町費用の1/2・上限97.8万円—
高山村——
山ノ内町—景観協定の区域の廃屋だけ:1/3・上限30万円
木島平村費用の1/2・上限97.86万円(空き家は対象外)空き家(跡地を空き家バンクに登録):1/2・上限50万円
野沢温泉村—景観の基準に合う廃屋の撤去に助成あり
信濃町——
小川村—危険な廃屋:業者に頼むと費用の2割・上限20万円
飯綱町——
栄村——

東信(16市町村)

市町村耐震性の足りない
古い家の取り壊し
空き家などの解体
上田市上限97.8万円
令和8年度は受付終了
老朽危険空き家:1/2・上限50万円
受付を一時終了
小諸市——
佐久市費用の1/2・上限97.8万円(対象の費用は延べ面積×15,000円まで)道に接しない空き家を隣の人が買って解体:1/4・上限50万円
東御市費用の1/2・上限83.8万円
令和8年度は受付終了
老朽危険空き家:1/2・上限75万円
小海町—空き家など:1/2・上限50万円
川上村—3年以上の空き家:1/2・上限50万円
南牧村——
南相木村——
北相木村—空き家の管理の補助の中で:1/2・上限50万円
佐久穂町—新築する土地にある建物:1/2・上限50万円
空き家(空き家バンクに登録):1/2・上限50万円
軽井沢町——
御代田町費用の1/2・上限97.86万円空き家:1/2・上限50万円
立科町—老朽危険空き家:1/2・上限50万円
青木村—老朽空き家:1/2・上限20万円
長和町——
坂城町費用の1/2・上限98万円(建て替えのとき)—

中信(19市町村)

市町村耐震性の足りない
古い家の取り壊し
空き家などの解体
松本市費用の1/2・上限97.86万円老朽危険空き家:1/2・上限50万円
令和8年度は受付終了
大町市費用の1/2・上限97.8万円—
塩尻市費用の1/2・上限50万円(建て替えのとき)空き家:1/2・上限50万円
安曇野市費用の1/2・上限97.86万円売りに出す空き家:1/3・上限30万〜70万円
上松町—空き家(跡地の利用予定が必要):1/2・上限50万円
令和8年度は2次募集が最後
南木曽町——
木祖村費用の1/2・上限97.86万円老朽空き家:8/10・上限50万円
王滝村——
大桑村—老朽空き家など:8/10・上限50万円
木曽町費用の1/2・上限97.86万円(建て替えのとき)空き家:1/2・上限30万円(危険な空き家は100万円)
麻績村耐震の補助で解体工事も対象(額は村に確認)—
生坂村—老朽空き家:1/2・上限50万円/空き家バンクの家を買って建て替え:定額50万円(子育て世帯は100万円)/跡地を空き家バンクに登録:1/2・上限100万円
山形村—空き家:1/2・上限50万円
朝日村—老朽危険空き家:1/2・上限50万円
筑北村—老朽空き家:1/2・上限50万円
池田町費用の23%・上限97.86万円空き家(解体費100万円以上):定額50万円
松川村費用の1/2・上限97.86万円空き家(跡地を住宅用地として売る):1/2・上限100万円
白馬村——
小谷村費用の1/2・上限97.86万円空き家(更地にする):1/2・上限50万〜100万円(面積による)
住宅を新築するための解体(住宅取得の補助に加算):1/2・上限50万円

南信(28市町村)

市町村耐震性の足りない
古い家の取り壊し
空き家などの解体
岡谷市費用の1/2・上限97.86万円(現地で建て替えるとき)老朽危険空き家:工事費の8割の1/2・上限50万円
飯田市費用の1/2・上限97.86万円—
諏訪市費用の1/2・上限97.8万円(現地で建て替えるとき)跡地を住宅以外に使う空き家:1/10・上限20万円
伊那市費用の1/2・上限97.6万円(建て替えのとき)高遠町・長谷などの廃屋:1/10・上限10万円
駒ヶ根市費用の1/2・上限97.8万円
令和8年度は受付終了
—
茅野市費用の1/2・上限97.8万円(建て替えのとき)空き家:10%・上限20万円
下諏訪町費用の1/2・上限97.86万円(現地で建て替えるとき)老朽危険空き家:4/5・上限80万円
富士見町費用の1/2・上限97.86万円—
原村費用の1/2・上限97.86万円—
辰野町費用の1/2・上限83.8万円空き家:上限20万円
箕輪町上限97.86万円空き家(昭和56年5月以前の建物):1/3・上限50万円
飯島町費用の1/2・上限97.8万円(建て替え・移転のとき)老朽危険空き家:1/2・上限50万円
町の仲介で売買・賃貸した空き家:1/2・上限50万円
南箕輪村費用の1/2・上限97.86万円—
中川村費用の1/2・上限97.86万円(建て替えのとき)登録空き家を買って住宅用地にする:1/3・上限100万円
宮田村費用の1/2・上限97.86万円空き家バンクの家を解体して住宅を建てる:1/2・上限100万円
松川町費用の1/2・上限97.86万円—
高森町耐震改修の補助で、現地での建て替えも対象—
阿南町—空き家(跡地の利用計画が必要):1/2・上限60万円(町外に住む人は30万円)
阿智村—空き家:1/2・上限100万円
平谷村——
根羽村——
下條村費用の1/2・上限97.8万円空き家(跡地を利用する):1/4・上限100万円
売木村——
天龍村——
泰阜村—空き家を解体して住宅を新築:8/10・上限400万円
喬木村費用の4/5・上限97.86万円老朽危険空き家:1/2・上限100万円
それ以外の空き家:1/2・上限25万円
豊丘村費用の23%・上限97.86万円新築などをするための解体:1/2・上限100万円
空き家(跡地に新築して住む):1/2・上限100万円
大鹿村—老朽空き家:8/10・上限150万円

このほか、土砂災害の危険がある区域などの家を取り壊して移転する補助(がけ地近接等危険住宅移転事業など)を設けている市町村があります。ブロック塀の撤去の補助は、この表に入れていません。

申し込むときに気をつけること

  • 契約・着工の前に申し込む:ほとんどの補助は、交付決定の前に契約や工事を始めると対象外です。見積もりを取った段階で、市町村に相談しましょう
  • 事前の調査や診断が要る:老朽危険空き家の判定、耐震診断などを先に受けます。時間がかかるので早めに
  • 予算がなくなると締め切り:2026年10月7日の時点で、長野市・松本市(空き家)、上田市・東御市・駒ヶ根市(耐震の取り壊し)などは、令和8年度の受付を終えていました。次の年度の受付開始を待つ方法もあります
  • あとで返す決まりがある:跡地に家が建たない、空き家バンクから取り下げた、などのときに補助金を返す決まりのものがあります
  • 共有の家は全員の同意:相続した家で持ち主が複数いるときは、全員の同意を求める市町村があります

補助でいくら戻るか(計算例)

延べ床面積30坪の家の解体費が、坪3万円の目安どおり90万円だった場合の計算です。実際の補助の額は、補助の対象になる費用(家財の処分などを除くことがある)で決まります。

補助の決まり補助自己負担
費用の1/2・上限97.86万円45万円45万円
費用の1/2・上限50万円45万円45万円
費用の1/3・上限50万円30万円60万円
費用の8/10・上限50万円50万円40万円
費用の10%・上限20万円9万円81万円

よくある質問

別荘の解体にも使えますか

空き家の補助には、住まいとして使われていた家に限るものが多くあります(阿智村・朝日村・木曽町・山形村など)。茅野市の補助も「生活の本拠として使われた空き家」が対象で、別荘としてだけ使われていた家は除かれています。別荘の場合は、市町村に対象になるかを確かめてください。

いま住んでいる家の建て替えにも使えますか

耐震性の足りない古い家の取り壊しの補助は、住んでいる家の建て替えにも使えます(建て替えのときだけ対象の市町村もあります)。木島平村のように、空き家は対象外としている村もあります。空き家の補助は、住んでいない家が対象です。

補助がない市町村では、どうすればいいですか

制度は年度ごとに新しくできたり変わったりするので、まず市町村の空き家・建築の窓口に相談してください。売るか残すか迷っているときは、建物があるまま売りに出し、取り壊すかどうかを買う人に決めてもらう方法もある、と県の相談会の記録にあります。空き家バンクの使い方は長野県空き家バンクの活用術で紹介しています。

まとめ

  • 県の相談会の記録では、解体費の目安は坪3万〜3.5万円。30坪なら90万〜105万円の計算。道が狭い、アスベスト、茅葺・土壁、家財が残っていると高くなる
  • 床面積80㎡以上の解体は、アスベストの事前調査の報告と、建設リサイクル法の届出(着手の7日前まで)が要る
  • 解体に使える市町村の補助は59市町村。耐震性の足りない古い家の取り壊し(41市町村、多くは1/2・上限97.86万円前後)と、空き家の解体(47市町村、上限10万〜400万円)
  • 契約・着工の前に申し込む。予算に達して締め切る市町村があるので、早めに窓口で確かめる

出典:補助は、各市町村の公式ページ(2026年10月7日確認、表のリンク先)。解体費の目安と費用が高くなる例は、長野県「空家等対策支援専門家派遣事業を実施しました」の各市町村の記録。手続きは長野県の各ページ(本文のリンク先)。