長野県の旧耐震住宅はどれくらい?1980年以前の家は約19万戸・23%【市町村別】と、確かめ方・診断の順番
「うちの家は旧耐震だろうか」。古い家に住んでいる人、実家を継ぐ人、中古の家を買おうとしている人が、最初に気になるところです。この記事では、長野県にある1980年以前に建てられた住宅がどれくらいあるかを、国の統計(令和5年住宅・土地統計調査)から、県全体と市町村ごとにまとめました。
あわせて、旧耐震と新耐震の違い、自分の家がどちらに当たるかの確かめ方、耐震診断から補強までの順番を解説します。
旧耐震・新耐震・2000年基準の違い

建物の耐震の基準は、建築基準法の改正で何度か変わっています。住宅で大きいのは次の2回です。
| 当てはまる住宅 | どんな基準か | |
|---|---|---|
| 旧耐震基準 | 1981年5月31日までに建築確認を受けたもの | 震度5強程度の揺れで倒壊しないことが目安 |
| 新耐震基準 | 1981年6月1日以降に建築確認を受けたもの | 震度6強〜7程度の地震でも倒壊しないことが目安 |
| 2000年基準(木造) | 2000年6月1日以降 | 木造の基礎の形、壁の配置のバランス、柱と土台などの接合部の決まりが明確になった |
旧耐震か新耐震かを分けるのは、完成した日ではなく、建築確認を受けた日です。1981年や1982年に完成した家でも、建築確認が1981年5月以前なら旧耐震の基準で建てられています。
新耐震の木造住宅でも、2000年5月以前に建てたものは、接合部などが今の基準より弱い場合があります。熊本地震でこの年代の木造住宅にも倒壊などの被害が見られたことから、国は1981年6月〜2000年5月に建てた木造住宅を確かめる方法(「新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法」)を公表しています(国土交通省)。年代別の被害の調査結果は古民家の耐震はどこまで必要かで紹介しています。
長野県の1980年以前の住宅は約19万戸、住宅の23%
令和5年(2023年10月)の住宅・土地統計調査によると、長野県で人が住んでいる住宅は約824,700戸です。そのうち1980年以前に建てられた住宅は約190,200戸で、23.1%に当たります。全国では19.8%です。
| 建てられた時期 | 住宅の数 | 割合 |
|---|---|---|
| 1970年以前 | 約78,700戸 | 9.5% |
| 1971〜1980年 | 約111,500戸 | 13.5% |
| 1981〜1990年 | 約128,200戸 | 15.5% |
| 1991〜2000年 | 約171,800戸 | 20.8% |
| 2001〜2010年 | 約136,300戸 | 16.5% |
| 2011〜2020年 | 約127,100戸 | 15.4% |
| 2021〜2023年9月 | 約31,300戸 | 3.8% |
| 不詳 | 約39,800戸 | 4.8% |
| 合計 | 約824,700戸 | 100% |
このほか、1981〜2000年に建てられた住宅が約300,000戸(36.4%)あります。この時期の住宅の多くは新耐震の基準ですが、木造なら2000年基準の前の住宅です。
市町村ごとの1980年以前の住宅
住宅・土地統計調査は抽出調査で、市町村ごとの集計は市と、人口1万5千人以上の町村だけです。長野県では25市町村(19市と、6つの町村)の数字があります。ほかの町村は、市町村ごとの数字が公表されていません。
割合の順ではなく、地区ごとに並べています。市町村の名前を押すと、その市町村の「家づくりの地域データ」のページ(土地の価格・災害の区域・気候など)が開きます。
北信(5市町村)
| 市町村 | 人が住んでいる住宅 | 1980年以前 | 1981〜2000年 |
|---|---|---|---|
| 長野市 | 約156,210戸 | 約29,690戸(19.0%) | 約58,010戸(37.1%) |
| 須坂市 | 約18,830戸 | 約5,440戸(28.9%) | 約6,580戸(34.9%) |
| 中野市 | 約15,810戸 | 約4,360戸(27.6%) | 約5,820戸(36.8%) |
| 飯山市 | 約7,180戸 | 約2,390戸(33.3%) | 約2,630戸(36.6%) |
| 千曲市 | 約21,950戸 | 約5,300戸(24.1%) | 約8,530戸(38.9%) |
東信(6市町村)
| 市町村 | 人が住んでいる住宅 | 1980年以前 | 1981〜2000年 |
|---|---|---|---|
| 上田市 | 約63,550戸 | 約14,160戸(22.3%) | 約21,870戸(34.4%) |
| 小諸市 | 約17,320戸 | 約4,740戸(27.4%) | 約5,950戸(34.4%) |
| 佐久市 | 約40,720戸 | 約9,440戸(23.2%) | 約13,570戸(33.3%) |
| 東御市 | 約11,280戸 | 約2,700戸(23.9%) | 約4,000戸(35.5%) |
| 軽井沢町 | 約8,290戸 | 約1,080戸(13.0%) | 約2,220戸(26.8%) |
| 御代田町 | 約6,670戸 | 約1,090戸(16.3%) | 約2,280戸(34.2%) |
中信(4市町村)
| 市町村 | 人が住んでいる住宅 | 1980年以前 | 1981〜2000年 |
|---|---|---|---|
| 松本市 | 約104,920戸 | 約19,210戸(18.3%) | 約41,010戸(39.1%) |
| 大町市 | 約10,280戸 | 約3,500戸(34.0%) | 約3,250戸(31.6%) |
| 塩尻市 | 約27,990戸 | 約5,570戸(19.9%) | 約11,040戸(39.4%) |
| 安曇野市 | 約37,080戸 | 約6,890戸(18.6%) | 約13,590戸(36.7%) |
南信(10市町村)
| 市町村 | 人が住んでいる住宅 | 1980年以前 | 1981〜2000年 |
|---|---|---|---|
| 岡谷市 | 約18,620戸 | 約5,340戸(28.7%) | 約6,130戸(32.9%) |
| 飯田市 | 約37,800戸 | 約9,530戸(25.2%) | 約12,260戸(32.4%) |
| 諏訪市 | 約20,910戸 | 約4,430戸(21.2%) | 約7,820戸(37.4%) |
| 伊那市 | 約25,220戸 | 約5,940戸(23.6%) | 約9,580戸(38.0%) |
| 駒ヶ根市 | 約13,070戸 | 約3,060戸(23.4%) | 約4,380戸(33.5%) |
| 茅野市 | 約23,740戸 | 約4,860戸(20.5%) | 約9,440戸(39.8%) |
| 下諏訪町 | 約7,980戸 | 約2,550戸(32.0%) | 約2,290戸(28.7%) |
| 辰野町 | 約7,080戸 | 約2,400戸(33.9%) | 約2,500戸(35.3%) |
| 箕輪町 | 約10,110戸 | 約1,840戸(18.2%) | 約4,450戸(44.0%) |
| 南箕輪村 | 約6,760戸 | 約1,200戸(17.8%) | 約2,540戸(37.6%) |
数字を見るときの注意
- 抽出調査による推計値です:一部の世帯を調べて全体を推計した数です。市町村の数は10戸単位、県と全国の数は100戸単位に丸めてあります。
- 「1980年以前」は旧耐震のおおよその目安です:統計の区分は建てられた年で、建築確認の日ではありません。1981年や1982年に完成した旧耐震の住宅は「1981〜1990年」に入ります。旧耐震の住宅には、1980年以前の数に加えて、1981年以降に完成した分も含まれます。
- 木造以外の住宅や、アパート・マンションも含みます:一戸建ての木造住宅だけの数ではありません。
- 人が住んでいる住宅の数です:空き家は入っていません。古い空き家を買ったり継いだりするときは、この数とは別に、その家の建てた時期を確かめてください。
自分の家が旧耐震かを確かめる

まず、建築確認を受けた日を確かめます。次の書類で分かります。
- 確認済証(建築確認通知書):建築確認を受けた日が書いてあります。1981年5月31日以前なら旧耐震の基準です。
- 検査済証:工事が終わったあとの検査の書類です。確認済証が見つからないときの手がかりになります。
- 登記事項証明書(登記簿):「新築年月日」が書いてありますが、これは完成した日です。1981年〜1982年の日付なら、建築確認の日を別に確かめてください。
書類が見つからないときは、市町村の建築担当の窓口で、建築確認の記録(建築計画概要書や、建築確認台帳記載事項証明書)を調べられる場合があります。
耐震診断から補強までの順番
市町村の無料の耐震診断や耐震改修の補助では、対象を「1981年5月31日以前に着工した住宅」と決めているのが一般的です。建築確認の日ではなく着工した日で決めているので、対象になるかは市町村の窓口で確かめてください。
- 市町村に耐震診断を申し込む:1981年5月31日以前に着工した木造在来工法の住宅なら、耐震診断士の派遣を無料で受けられる市町村が多くあります。
- 診断の結果(評点)を聞く:評点1.0は、長野県の資料で「震度6強〜7程度で倒壊する危険性が低い」とされる水準です。1.0未満なら補強を考えます。
- 補強の計画と見積りを作る:建築士やリフォーム会社が、評点を上げる補強の計画を作ります。県の上乗せ補助を受けるなら、改修後の評点を1.0以上にする計画にします。
- 補助金を申請してから工事する:市町村の交付決定の前に契約・着工すると、補助の対象外になる市町村があります。
市町村ごとの補助の上限額と条件は、長野県の耐震改修補助金 77市町村一覧にまとめています。多くの市町村で最大165万円、多雪区域の10市町村では最大190万円など、市町村によって上限が違います。
リフォームと耐震補強は一緒に考える
耐震補強は、壁を開けて筋かいや構造用合板を足す工事が中心です。断熱リフォームや水まわりの工事で壁や床を開けるときに一緒に行うと、工事を2回に分けるより手間と費用を抑えやすくなります。古い家は冬の寒さも課題になりやすいので、耐震と断熱をまとめて相談するのが近道です。
中古の家を買ってリフォームする場合の予算の組み立ては中古戸建てを買ってリフォーム、買う前の建物の点検は長野県のホームインスペクションで解説しています。
よくある質問
1981年に建った家は、旧耐震ですか?新耐震ですか?
建築確認を受けた日で決まります。1981年5月31日以前に建築確認を受けていれば旧耐震、6月1日以降なら新耐震です。完成した年だけでは分からないので、確認済証などで確かめてください。
新耐震なら、耐震診断はいりませんか?
新耐震でも、2000年5月以前に建てた木造住宅は、接合部や壁の配置が今の基準より弱いことがあります。国の「新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法」で、所有者が自分で確かめる方法も示されています。気になるときは、リフォーム会社や建築士に相談してください。
耐震診断は、どこに頼めばいいですか?
まず市町村の窓口に申し込んでください。対象の住宅なら、市町村が耐震診断士を派遣する制度を使えます。新耐震の住宅など、市町村の制度の対象にならない住宅は、建築士やリフォーム会社に頼みます。柱を石の上に置くような伝統的な造りの家は、対象にするかどうかが市町村で違うので、先に確かめてください。
まとめ
- 長野県で人が住んでいる住宅のうち、1980年以前に建てられたものは約190,200戸(23.1%)。全国は19.8%
- 旧耐震か新耐震かは、完成した日ではなく建築確認を受けた日で決まる(1981年5月31日まで/6月1日から)
- 新耐震でも、2000年5月以前の木造住宅は接合部などを確かめたい
- 確かめる順番は、建築確認の日 → 市町村の耐震診断 → 補強の計画 → 補助の申請 → 工事
- 断熱や水まわりのリフォームと一緒に考えると、手間と費用を抑えやすい
出典:「令和5年住宅・土地統計調査」(総務省)を加工して作成(政府統計の総合窓口 e-Stat)。このサービスは、政府統計総合窓口(e-Stat)のAPI機能を使用していますが、サービスの内容は国によって保証されたものではありません。