保存

長野県の新築は4棟に1棟が平屋|持ち家は10年で約11㎡小さく、間取りの考え方

長野県の新築は4棟に1棟が平屋|持ち家は10年で約11㎡小さく、間取りの考え方

長野県で新しく建つ家は、10年前より小さくなり、平屋が増えています。国の建築着工統計で、2024年に長野県で着工した持ち家の一戸建ては1戸あたり115.7㎡(約35.0坪)。2014年の126.4㎡から約10.7㎡(約3.2坪)減りました。住宅の建物のうち平屋は24.9%で、およそ4棟に1棟です(全国は16.8%)。

この記事では、これから家を建てる人に向けて、統計の数字とその読み方、2025年4月に変わった建築のルール、小さく建てるときの間取りの考え方をまとめます。費用は扱わず、長野県で注文住宅を建てる総額の記事に任せます。

持ち家の一戸建ては10年で約10.7㎡小さくなった

国土交通省の建築着工統計(住宅着工統計)から、持ち家の一戸建て(自分が住むために建てる家)の1戸あたりの床面積を出しました。床面積の合計を戸数で割った平均です。

着工した年長野県の戸数長野県の1戸あたり全国の1戸あたり
2014年5,769戸126.4㎡(約38.2坪)124.0㎡
2016年5,979戸123.3㎡(約37.3坪)122.0㎡
2018年6,174戸121.5㎡(約36.8坪)120.0㎡
2020年5,809戸119.9㎡(約36.3坪)118.0㎡
2022年5,977戸118.7㎡(約35.9坪)116.5㎡
2023年5,433戸116.0㎡(約35.1坪)114.5㎡
2024年5,433戸115.7㎡(約35.0坪)113.7㎡
  • 長野県は毎年、全国より少し広いまま、全国と同じように小さくなっています。2024年の差は2.0㎡です
  • 建つ数は年で上下します。2023年と2024年の5,433戸は、表の年でいちばん少ない数です
  • 建売住宅(分譲の一戸建て)は、長野県の2024年が1戸あたり115.6㎡で、持ち家とほぼ同じ広さです

住宅金融支援機構のフラット35利用者調査(2025年度)では、長野県の注文住宅の住宅面積は120.4㎡、土地の代金もフラット35で借りた人(土地付注文住宅)は110.1㎡でした。フラット35を使った人だけの数字で、長野県の件数は94件と164件と少ないため、年ごとの上下は大きめです。流れを見るときは、全数を数えている着工統計のほうが向いています。

平屋は10年で11.1%から24.9%に

建築着工統計(建築物着工統計)の「居住専用住宅」を、地上の階数で分けました。居住専用住宅には一戸建てのほか、アパートなども入ります。

着工した年長野県の平屋長野県の住宅の計長野県の平屋の割合全国の平屋の割合
2014年804棟7,260棟11.1%7.5%
2016年845棟7,781棟10.9%8.3%
2018年1,130棟8,066棟14.0%9.8%
2020年1,237棟7,571棟16.3%11.2%
2022年1,566棟8,090棟19.4%13.5%
2023年1,678棟7,393棟22.7%15.0%
2024年1,795棟7,206棟24.9%16.8%

長野県では、平屋の割合が2017年から毎年上がり、2024年は1,795棟でした。全国も上がっていますが、長野県との差は2014年の3.6ポイントから2024年の8.1ポイントに広がっています。

平屋も2階建ても、1棟の広さはほとんど変わっていない

長野県の居住専用住宅2014年2024年
平屋の1棟あたり100.5㎡100.2㎡
2階建ての1棟あたり136.3㎡135.9㎡

同じ統計で1棟あたりの床面積を見ると、平屋は約100㎡、2階建ては約136㎡で、どちらも10年でほとんど変わっていません。そのため、平均が下がった理由の1つは、小さい平屋の割合が増えたことだと読めます。この表の平屋と2階建てを合わせた平均は、2014年の約132㎡から2024年の約127㎡へ約5㎡下がっていて、その分は平屋の割合が増えたことでほぼ説明できます。ただし、この表にはアパートなども入っていて、上の持ち家の一戸建ての統計とは数え方が違います。持ち家の一戸建ての減り方(約10.7㎡)がすべて平屋のためかどうかは、この統計からは分かりません。なぜ平屋を選ぶ人が増えたのかも、統計からは分かりません。

2025年4月から、2階建てと平屋で手続きの差が広がった

2025年4月以降に工事を始める家から、建築基準法と建築物省エネ法の改正が当てはまっています(国土交通省のリーフレット)。これまで「4号建築物」としてまとめられていた木造の家が、2つに分かれました。

木造の家改正後の区分建築確認がいる場所構造の審査確認申請で出す図書
2階建て新2号建築物すべての地域省略されない構造と省エネの図書を新たに出す
平屋で延べ面積200㎡を超える新2号建築物すべての地域省略されない構造と省エネの図書を新たに出す
平屋で延べ面積200㎡以下新3号建築物都市計画区域などの中今までどおり省略の対象今までと同じ(一部省略)
  • すべての新築で、省エネ基準に合わせることが義務になりました。平屋も2階建ても同じです
  • 2階建ては、都市計画区域などの外でも建築確認がいるようになりました。大きな修繕・模様替えも確認の対象です
  • 長野県の平屋は1棟あたり平均約100㎡で、新3号建築物の上限の200㎡を大きく下回ります
  • 2階建ては、構造の図書をそろえる設計の手間が増えました。その分が設計の期間や費用にどう出るかは、依頼先に確かめてください

区分の図は国土交通省「4号特例が変わります」にあります。省エネ基準の地域区分は市町村で違うので、長野県の省エネ地域区分で確かめられます。

小さく建てるときの間取りの考え方

床面積が同じでも、間取りで使いやすさは変わります。数字では比べにくいところなので、設計の打ち合わせで確かめる点として並べます。

  • 部屋の数と収納の量を先に決める:家族の人数と、今の家にある物の量から考えます。床面積はそのあとに決まります
  • 廊下を短くする:廊下も床面積に入ります。部屋どうしを直接つなぐと、同じ広さでも部屋に回せる面積が増えます
  • 1階だけで暮らせるようにしておく:平屋でなくても、寝室と水回りを1階にまとめておくと、年を取ってからも暮らしやすくなります
  • 暖房の計画を一緒に考える:部屋をつなげると、1台の暖房で暖める範囲が広がります。断熱の性能とあわせて考えます(家全体を暖める方法)

平屋は建物が広がるぶん、土地が要る

都市計画区域などの中では、建物が土地に占める広さ(建築面積)に、建ぺい率という上限があります。値は用途地域などで土地ごとに決まっています。延べ面積100㎡の家で、平屋と、1階と2階が同じ広さの2階建てを比べると、必要な土地の広さは次のようになります。

延べ面積100㎡の家建築面積建ぺい率50%の土地建ぺい率60%の土地
平屋100㎡200㎡以上(約61坪)約167㎡以上(約51坪)
2階建て(1階50㎡・2階50㎡)50㎡100㎡以上(約31坪)約84㎡以上(約26坪)

これは建物だけの最低の広さです。長野県では、このほかに車を置く場所と、雪を寄せる場所が要ります。土地の価格は市町村別の住宅地の地価で、平屋の屋根の雪や費用の考え方は長野県で平屋を建てる費用の記事で見られます。

依頼先に確かめること

  • その間取りで、延べ面積と建築面積がそれぞれ何㎡になるか。土地の建ぺい率に収まるか
  • 平屋か2階建てかで、2025年4月からの確認申請の区分(新2号・新3号)がどちらになるか
  • 省エネ基準に合っていることを、どの方法で確かめるか(仕様で確かめるか、計算するか)
  • 雪をどこに落とし、どこに寄せるか。車を置く場所と重ならないか

よくある質問

長野県は平屋が多いのですか?

2024年に着工した住宅の建物のうち、平屋は長野県が24.9%、全国が16.8%でした。長野県のほうが割合は高く、2014年からずっと全国を上回っています。

今の家の広さは、全国と比べて広いですか?

持ち家の一戸建ての1戸あたりの床面積は、2024年に長野県115.7㎡、全国113.7㎡でした。長野県のほうが少し広く、表の年の差は1.3〜2.4㎡でした。

平屋なら確認申請は簡単ですか?

延べ面積200㎡以下の木造の平屋は新3号建築物で、提出する図書は今までと同じです。ただし、省エネ基準に合わせる義務は平屋にもかかります。

まとめ

  • 長野県の持ち家の一戸建ては、2014年126.4㎡から2024年115.7㎡に(約3.2坪小さく)
  • 住宅の建物のうち平屋は11.1%から24.9%に。全国(16.8%)より高い
  • 平屋も2階建ても1棟あたりの広さはほぼ同じ。平屋が増えたことは、平均が下がった理由の1つと読める
  • 2025年4月から、木造の2階建てはどこでも建築確認がいり、構造と省エネの図書も必要に。200㎡以下の平屋は今までどおり
  • 小さく建てるなら、部屋の数と収納を先に決め、廊下を短くする。平屋は土地の広さも確かめる

出典:国土交通省「建築着工統計調査」(e-Stat、2014〜2024年の年次の表。2026年11月5日取得)をもとに「信州 家と庭」が集計。住宅金融支援機構「フラット35利用者調査」(2025年度)。国土交通省のリーフレット(2023年10月版・2024年4月版)。