長野県で平屋を建てる費用と注意点|敷地は平均約150坪、屋根の雪は2階建ての約2倍
長野県で平屋を建てるときは、土地の広さと屋根の雪を、2階建てより先に考えます。国の建築着工統計で、2024年に長野県で着工した木造の平屋は1棟あたり床面積99.3㎡、敷地494.8㎡(約150坪)でした。木造の2階建ては床面積131.2㎡、敷地373.0㎡(約113坪)です。同じ延べ面積なら、平屋は屋根が2階建ての約2倍になり、屋根に載る雪の重さも約2倍になります。
この記事では、これから平屋を考える人に向けて、統計の数字、費用が上がりやすい理由、雪と土地と日当たりの考え方をまとめます。長野県で平屋がどれくらい増えているかは長野県の新築の広さと平屋の割合にまとめました。
長野県の平屋は、床面積約100㎡・敷地約150坪
建築着工統計(建築物着工統計)の、長野県の木造の「居住専用住宅」の平均です。居住専用住宅には一戸建てのほか、アパートなども入ります。
| 長野県・木造 | 平屋(2014年) | 平屋(2024年) | 2階建て(2014年) | 2階建て(2024年) |
|---|---|---|---|---|
| 建った数 | 740棟 | 1,625棟 | 5,571棟 | 4,708棟 |
| 1棟あたりの床面積 | 100.5㎡ | 99.3㎡ | 133.5㎡ | 131.2㎡ |
| 1棟あたりの敷地 | 529.6㎡(約160坪) | 494.8㎡(約150坪) | 353.7㎡(約107坪) | 373.0㎡(約113坪) |
- 木造の平屋は、10年で2倍以上建つようになりました
- 平屋の床面積は約100㎡のまま、敷地は2階建てより約122㎡(約37坪)広い土地に建っています(2024年)
- これは平均です。郊外の広い土地に建つ家も、街なかの家も入っています
平屋の費用が上がりやすい理由
平屋と2階建ての1㎡あたりの工事費を比べた公的な統計は、見つけられませんでした。ここでは、費用に効く部分の量の違いを、延べ面積100㎡の家で比べます(2階建ては1階と2階が同じ広さの場合)。
| 延べ面積100㎡の家 | 平屋 | 2階建て(1階50㎡・2階50㎡) |
|---|---|---|
| 基礎の面積 | 約100㎡ | 約50㎡ |
| 屋根の面積(真上から見た広さ) | 約100㎡ | 約50㎡ |
| 階段 | いらない | いる |
| 2階のトイレ・水回り | いらない | つけるかどうかを決める |
- 基礎と屋根が約2倍になるので、同じ延べ面積なら平屋の1㎡あたりの費用は上がりやすくなります
- 階段がないぶん、その面積を部屋や収納に回せます。同じ使い勝手なら、平屋のほうが延べ面積を小さくできることもあります
- 差がいくらになるかは、仕様と土地で変わります。同じ延べ面積で、平屋と2階建ての両方の見積もりを取ると比べられます
家全体の費用の目安は、住宅金融支援機構のフラット35利用者調査をもとにした長野県で注文住宅を建てる総額の記事にまとめています。
屋根に載る雪の重さは、2階建ての約2倍
建物が支える雪の重さ(積雪荷重)は、建築基準法施行令第86条で、屋根を真上から見た面積×垂直積雪量×1cmあたり1㎡につき20N以上で計算すると決まっています。1㎡あたりの重さは平屋も2階建ても同じですが、平屋は屋根が広いぶん、屋根全体に載る雪が多くなります。
| 市役所の地点 | 垂直積雪量 | 平屋(屋根100㎡) | 2階建て(屋根50㎡) |
|---|---|---|---|
| 長野市 | 80cm | 約16.3トン | 約8.2トン |
| 松本市 | 78cm | 約15.9トン | 約8.0トン |
| 佐久市 | 60cm | 約12.2トン | 約6.1トン |
| 飯田市 | 54cm | 約11.0トン | 約5.5トン |
- 長野市の市役所の地点なら、屋根1㎡あたり約163kg分です。重さに直した値で、屋根の勾配による減らし方(屋根形状係数)は入れていません
- 屋根の勾配が急なほど、計算に使う雪の重さを減らせます(同じ条の4項)。勾配30度で約0.84倍、45度で約0.62倍、60度を超えると0です。雪止めをつけた屋根は減らせません
- 垂直積雪量は、同じ市町村でも区域や標高で変わります。飯山市など多雪区域では、1cmあたりの重さを特定行政庁が別に定めることができます。その土地の値は設計を頼む会社に確かめてください
- 雪下ろしをする地方では、垂直積雪量が1mを超えても、1mまで減らして計算できる決まりがあります(同じ条の6項)。その場合は、建物にそのことを表示します
屋根の雪を落とすか載せておくかは、設計の最初に決めます。雪止めの考え方は屋根の雪止め、観測した雪の深さは長野県の雪の深さで見られます。
屋根の形と雪の落ちる向き
| 屋根の形 | 雪の落ちる向き | 考えること |
|---|---|---|
| 切妻(きりづま) | 2方向 | 落ちる側の2面に、雪がたまる場所をとる |
| 片流れ | 1方向 | 落ちる側を1か所にまとめられる。その側に車や通路を置かない |
| 寄棟(よせむね) | 4方向 | 4面すべてに雪が落ちるので、隣の土地や道路に近いと考えることが増える |
| 勾配のゆるい屋根・陸屋根 | 落ちにくい | 雪を載せておく前提で、構造を決める |
平屋に必要な土地の広さ
都市計画区域などの中では、建物が土地に占める広さ(建築面積)に建ぺい率の上限があります。延べ面積100㎡の家なら、建物だけで次の広さが要ります。
| 延べ面積100㎡の家 | 建ぺい率50%の土地 | 建ぺい率60%の土地 |
|---|---|---|
| 平屋(建築面積100㎡) | 200㎡以上(約61坪) | 約167㎡以上(約51坪) |
| 2階建て(建築面積50㎡) | 100㎡以上(約31坪) | 約84㎡以上(約26坪) |
長野県では、このほかに車を置く場所、雪を寄せる場所、屋根から雪が落ちる場所が要ります。雪の落ちる場所と車を置く場所が重ならないように、配置図で確かめます。上の統計では、長野県の木造の平屋は平均約495㎡の敷地に建っていて、建ぺい率から出す最低の広さの2倍以上あります。土地の価格は市町村別の住宅地の地価で見られます。
冬の日当たりは、南側の建物で決まる
冬至の昼の太陽の高さ(南中高度)は、90度から緯度と23.44度を引いて求められます。長野県の市役所の地点では約30度です。高さ7mの建物(2階建てを想定)の影は、その日の昼でも12m前後まで伸びます。
| 市役所の地点 | 冬至の南中高度 | 高さ7mの建物の影の長さ(昼) |
|---|---|---|
| 長野市 | 約29.9度 | 約12.2m |
| 松本市 | 約30.3度 | 約12.0m |
| 佐久市 | 約30.3度 | 約12.0m |
| 飯田市 | 約31.0度 | 約11.6m |
平屋は窓の位置が低いので、南側に2階建てがあると、冬の日差しが入りにくくなります。影の長さは、南側の建物からどれだけ離れれば冬至の昼に日が届くかの目安になります。たとえば長野市で、南側の2階建てが約12mより近いと、冬至の昼には平屋の足元がその建物の影に入り、窓にも日が届きにくくなります(地面の高さが同じ場合)。土地を選ぶときは、南側の建物や空き地の様子と、そこに何が建つかを確かめます。
平屋のよいところ
- 階段がない:上り下りがなく、年を取ってからも暮らしやすい
- 暮らしが1つの階で完結する:家事の動きが同じ階の中だけで済む
- 屋根が低い:屋根の点検や雪の様子を、地面から見やすい
- 2025年4月からの確認申請:延べ面積200㎡以下の木造の平屋は「新3号建築物」で、提出する図書は今までと同じです(国土交通省)。2階建ては構造と省エネの図書が新たに必要になりました
見積もり・設計で確かめること
- 同じ延べ面積で、平屋と2階建ての両方の見積もりを取り、差がどこから出ているか(基礎・屋根・構造)
- その土地の垂直積雪量と、構造の計算に使った値。屋根の雪を落とすか、載せておくか
- 建ぺい率と、車・雪の置き場・落雪の場所を入れた配置図
- 南側の建物の高さと距離。冬の日差しがどこまで入るか
よくある質問
長野県では、平屋と2階建てのどちらがよいですか?
土地の広さで決まることが多いです。長野県の木造の平屋は、平均で約150坪の敷地に建っています(2024年)。車と雪の置き場まで入れて、建ぺい率の中に平屋が収まるかを、配置図で確かめてください。
小屋裏の収納は床面積に入りますか?
天井の高さなどの条件を満たす小屋裏の物置を、床面積や階に数えない扱いがあります。条件は建築確認をする自治体(特定行政庁)によって違うので、設計を頼む会社を通して確かめてください。
平屋は雪下ろしが楽ですか?
屋根は低くなりますが、屋根の面積は2階建ての約2倍です。雪を落とす屋根にするか、載せておける構造にするかで、雪下ろしの要否が変わります。
まとめ
- 長野県の木造の平屋は、2024年に1棟あたり約99㎡、敷地約150坪(2階建ては約131㎡、約113坪)
- 同じ延べ面積なら、平屋は基礎と屋根が約2倍。1㎡あたりの費用は上がりやすい。差は両方の見積もりで比べる
- 屋根に載る雪も約2倍。長野市の市役所の地点で、屋根100㎡なら約16トン分
- 冬至の太陽は約30度。南側に2階建てがあると、昼でも影が12m前後まで伸びる
- 車・雪の置き場・落雪の場所を入れて、土地の広さを決める
出典:国土交通省「建築着工統計調査」(e-Stat、2026年11月5日取得)をもとに「信州 家と庭」が集計。建築基準法施行令第86条。垂直積雪量は各市の規則・資料(2026年10月確認)。