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長野県のトイレ・廊下・玄関の寒さ対策|就寝前の室温12度未満で夜中に起きる人が1.62倍という調査と、経路の暖め方

長野県のトイレ・廊下・玄関の寒さ対策|就寝前の室温12度未満で夜中に起きる人が1.62倍という調査と、経路の暖め方

居間は暖房で暖まります。浴室と脱衣室は、寒さが話題になるので対策も知られています。残るのがトイレ・廊下・玄関です。滞在時間が短いという理由で後回しにされがちですが、この3か所には共通点があります。夜と早朝に、寝起きの体で通る場所だということです。

国土交通省の審議会に出された調査資料に、この問題を直接扱ったデータがあります。全国2,339人を対象とした分析で、就寝前の室温が12度を下回る住まいの人は、18度以上の住まいの人に比べて、過活動膀胱の症状がある割合が1.62倍でした(出典:国土交通省 社会資本整備審議会 住宅宅地分科会 資料「住宅の温熱環境と健康の関連」)。

資料はこの結果を「暖かい住まいで夜間頻尿が少ない」とまとめています。つまり寒い家は、夜中にトイレへ行く回数そのものを増やしている可能性がある。そのうえで、向かう先の廊下とトイレが冷え切っているわけです。

この記事では、その移動経路をどう暖めるかを扱います。家全体の考え方は長野県のヒートショック対策は住まいで決まる、浴室と脱衣室については浴室と脱衣室を暖める方法と費用をご覧ください。

寝る前の室温が、夜中の回数を左右する

先の分析をもう少し詳しく見ます。ここでいう就寝前室温とは、寝る時刻の3時間前の居間の室温の平均を指します。寝室ではなく居間の温度である点が、この調査の実感に近いところです。

条件調整オッズ比備考
就寝前室温 12度未満1.6218度以上を1.00としたとき
年齢 65歳以上2.5465歳未満を1.00としたとき
塩分摂取がかなり多い2.67少ないを1.00としたとき
高血圧あり1.40なしを1.00としたとき
降圧剤の服用あり1.38なしを1.00としたとき

塩分や年齢と並んで、住まいの温度が要因のひとつとして出てくるのがこの表の要点です。食習慣や加齢は変えにくいものですが、室温は工事で変えられます。

同じ資料には、断熱改修の前後を追った分析もあります。前回調査と比べて就寝前の室温が2.5度以上上がった人は0.50、逆に2.5度以上下がった人は1.80という結果でした(室温が変わらなかった人を1.00とした場合)。室温を上げれば症状が減る方向に動く、という関係が示されています。

なお過活動膀胱は、尿意を我慢しにくい、日中の回数が多い、夜中に何度も起きる、といった症状をまとめた呼び方です。同資料によれば、国内の40歳以上の8人に1人に症状があり、患者数は約800万人以上と推計されています。

夜中の移動が危ない理由は、二つある

ひとつは転倒です。同資料は、過活動膀胱によって「夜間に寒く、暗い中でのトイレに行く途中で転倒、循環器系疾患の発生確率が高くなる」と述べています。暗さと寒さと寝起きの不安定さが重なる時間帯です。

もうひとつが血圧です。同じ調査で、起床時の血圧と測定時の室温の関係が分析されており、高齢者ほど室温が下がったときの血圧の上がり方が大きいことが示されています。

条件室温が10度上がったときの最高血圧の変化
80歳の男性10.2mmHg 低下
30歳の男性3.8mmHg 低下
80歳の女性11.6mmHg 低下
30歳の女性5.3mmHg 低下

同じ10度の差でも、年齢によって血圧への響き方が3倍近く違うということです。資料は室温そのものだけでなく、部屋と部屋の温度差も血圧に影響すると記しています。暖かい寝室から冷えた廊下へ出る、という移動そのものが負荷になります。

まず、どこが何度なのかを知る

対策を選ぶ前に測ってください。温度計は数百円から手に入ります。居間・廊下・トイレ・玄関の4か所に置いて、夜と早朝の数字を数日ぶん見るだけで、手を入れる順番が見えてきます。

全国調査での冬の居間の日平均室温は16.7度でした。暖房のない廊下やトイレはこれを下回ります。世界保健機関(WHO)が強く勧告している冬季18度以上との差が、埋めるべき幅です。

測ると、思い込みが外れることがあります。「玄関がいちばん寒いはずだ」と考えていたら、実際には北側の廊下のほうが低かった、というのはよくある話です。費用をかける場所を決めるための実測だと考えてください。

トイレを暖める

トイレは狭いので、暖める費用対効果が高い場所です。使う時間が短く不規則なので、点けっぱなしにしない仕組みが要点になります。

手段費用の目安考え方
人感センサー付きの小型ヒーター5千〜1万5千円入室で自動的に運転。工事不要でもっとも手軽
暖房便座・温水洗浄便座への交換3万〜10万円座面だけだが体感は変わる。寒冷地仕様を選ぶ
小型のパネルヒーター(常時弱運転)1万〜3万円空気を汚さず静か。温度を保つ使い方向き
窓に内窓を追加5万〜10万円小窓でも冷気の落ち込みは止まる
壁・床の断熱を入れる15万〜40万円内装をやり直すとき同時に。単独では割高

火を使う暖房は使わないでください。狭く換気の弱い空間で燃焼式の機器を使うのは危険です。電気式が基本になります。

便器そのものを入れ替える場合の費用相場やメーカーごとの違いは、長野県でトイレリフォームを成功させるための費用相場とメーカー比較にまとめてあります。便器交換のみで15万〜25万円、内装を含めて25万〜40万円、手すりや床暖房まで含む寒冷地・バリアフリー仕様で60万円以上が目安です。

廊下と階段は「つなぐ場所」として考える

廊下を暖房するのは効率が悪い、というのは正しい面があります。滞在しない場所だからです。ただし廊下は温度差の通り道でもあります。ここが冷えていると、暖めた居室の熱が引き出され続けます。

  • 間仕切りを足す:階段の上り口や廊下の途中に建具を入れ、暖かい空気が逃げる範囲を区切る。10万〜30万円程度で、暖房の効きが変わることがあります
  • 床の断熱:足裏から奪われる熱は体感に直結します。工法と費用は床の断熱リフォームの種類と費用を参照
  • 窓の断熱:廊下の窓は小さくても、冷やされた空気が足元に落ちてきます。窓の断熱リフォーム徹底比較へ
  • ドア下の隙間をふさぐ:数千円のすきま風対策でも、冷気の流れは変わります

階段のある家では、暖かい空気が2階へ抜けることも寒さの一因です。1階が暖まらないと感じたら、階段の開口を見直すと解決することがあります。

なお、家全体を一定の温度に保つ考え方もあります。ただし断熱性能が前提条件になるため、全館暖房・全館空調は長野県で成立するかで条件と費用を確認してから判断してください。

玄関は、外気がいちばん近い場所

玄関は開けるたびに外気が入り、土間コンクリートは地面と接しています。断熱の弱いドアが一枚あるだけ、という家も少なくありません。

  • 玄関ドアの交換:断熱性能の高いドアへ。カバー工法なら壁を壊さずに1日で終わる工事もあります
  • 風除室(玄関フード)の設置:ドアの外側にもう一つ空間をつくり、外気が直接入るのを防ぐ。長野県では定着した対策で、詳しくは玄関・アプローチの風除室は必要?へ。正面だけのI型で15万〜25万円、三面を囲うコ型で40万〜60万円が目安です
  • 土間の断熱:床下や土間に断熱を入れる工事。他の工事と同時でないと割高になります
  • 厚手のカーテンやのれん:玄関と廊下の境に掛けるだけでも、冷気の流入は抑えられます

風除室は雪国では実利もあります。雪や風がドアに直接当たらなくなり、濡れた靴や除雪道具の置き場にもなるためです。寒さ対策と使い勝手が両立する数少ない工事です。

使える補助金

断熱を伴う工事であれば、補助制度の対象になる可能性があります。

どこから手を付けるかを予算から考える場合は、予算別に見るヒートショック対策の優先順位が参考になります。

よくあるご質問(FAQ)

Q. トイレと廊下、どちらを先に暖めるべきですか?

A. トイレが先です。狭いぶん少ない費用で温度が上がり、夜中に必ず立ち寄る場所だからです。人感センサー付きの小型ヒーターなら1万円前後で始められます。廊下は面積が広く、暖房そのものより断熱と区切り方で対処する場所だと考えてください。

Q. 夜中にトイレに起きる回数は、家を暖めれば本当に減りますか?

A. 断言はできません。夜間の頻尿には持病や服薬など複数の要因が関わるためです。ただし紹介した調査では、就寝前の室温が2.5度以上上がった人で症状が少なくなる傾向が示されています。気になる症状が続く場合は、住まいの対策と並行して医療機関にご相談ください。

Q. 廊下に暖房を置くのは無駄ではありませんか?

A. 常時暖房するのは効率が悪いです。ただし廊下を冷えたままにしておくと、暖めた部屋の熱が逃げ続けるという面があります。暖房で暖めるより、床や窓の断熱、ドア下の隙間をふさぐ、間仕切りで区切るといった「冷やさない」方向の対策のほうが向いています。

Q. 玄関ドアの交換は大がかりな工事になりますか?

A. 既存の枠を残して新しいドアを取り付けるカバー工法であれば、壁を壊さずに1日程度で終わる工事もあります。ただし枠の傷みが大きい場合や、間口を変えたい場合は工期も費用も変わります。現地を見てもらったうえで、工法と日数を確認してください。

Q. 賃貸でもできることはありますか?

A. あります。人感センサー付きの小型ヒーター、玄関や廊下の境に掛けるのれん、窓に貼る断熱シート、ドア下の隙間テープ、厚手のマットなどは建物に手を加えません。退去時の原状回復にも影響しないので、まずここから試す価値があります。

まとめ

  • 全国2,339人の分析で、就寝前室温12度未満の人は18度以上の人に比べ、過活動膀胱の症状がある割合が1.62倍
  • 断熱改修などで就寝前室温が2.5度以上上がった人は0.50と、症状が減る方向の関係が示されている
  • 高齢者ほど室温低下による血圧上昇が大きい(80歳男性で室温10度あたり10.2mmHg)
  • まず居間・廊下・トイレ・玄関の4か所を測る。夜と早朝の数字を見る
  • トイレは人感センサー付きヒーター(5千〜1万5千円)から。廊下は暖房より断熱と区切り
  • 玄関は風除室(I型15万〜25万円)が寒さ対策と使い勝手を両立する