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雪で壊れた雨どい・カーポートの修理費と火災保険|雪災で出る条件と出ないもの

雪で壊れた雨どい・カーポートの修理費と火災保険|雪災で出る条件と出ないもの

屋根から落ちた雪で雨どいが曲がった。雪の重みでカーポートの柱が傾いた。こうした壊れ方は、火災保険の「雪災」で補償されることがあります。ただし、建物を保険の対象にしていること、損害額が自己負担額を超えること、原因が雪で経年劣化ではないことなどの条件があります。

この記事は、長野県で雪の被害にあった家の方に向けて、修理費の目安と、保険で出るかを決める条件をまとめたものです。修理費は全国の見積もりの価格をもとにした目安で、保険の扱いは保険会社と日本損害保険協会の公式の案内をもとにしています。

雪で壊れたところの修理費の目安

雨どいの修理は部品代が安く、2階の雨どいで足場を組むときは、費用の多くを足場代が占めます(下の計算例)。

壊れたところ工事費用の目安
雨どい金具・継ぎ手の修理1か所 3,000〜3,960円
雨どい集水器の修理1か所 3,150〜4,000円
雨どい縦の雨どい(パイプ)の修理1か所 10,000〜12,500円
雨どい交換1mあたり 1,820〜2,660円
2階の工事足場1㎡あたり 660〜900円
カーポート(2台用)撤去・処分約7万〜21万円
カーポート(2台用)耐積雪100cmで建て直す約70万〜120万円
カーポート(2台用)耐積雪150cmで建て直す約90万〜140万円

雨どいと足場は、ミツモアが公表している2024年1〜12月の見積もりの価格です。カーポートは、当サイトがエクステリアの専門店などの公表価格をもとにまとめた、工事費込みの全国の相場です。どちらも長野県内の見積もりではありません。

例:2階の軒の雨どいを10m替える

足場の面積を150㎡と仮定して、上の単価で計算すると次のとおりです。撤去・処分や諸経費は入っていません。

項目計算金額
雨どいの交換10m × 1,820〜2,660円18,200〜26,600円
足場150㎡ × 660〜900円99,000〜135,000円
合計約12万〜16万円

部品は2万円ほどでも、足場を組むと総額は10万円を超えます。どこまでの範囲を、何㎡の足場で直すのかを、見積書で項目ごとに分けて書いてもらうと、保険の請求にも使えます。

屋根とカーポートの屋根材は、見積もりで確かめる

屋根の修理は、屋根材の種類と壊れた範囲で費用が大きく変わるため、ここでは数字を出していません。カーポートの屋根材(パネル)の割れや外れも、メーカーと型番で部品が決まります。柱が曲がったときは、修理ではなく建て直しになることがあります。カーポートの価格はカーポートの費用にまとめています。

火災保険の「雪災」で出るための条件

三井住友海上は、雪災の例として「雪の重みにより、雨どいが壊れた」「雪により建物が壊れた」を挙げ、落雪で壊れた給湯器やエアコンの室外機も補償するとしています。そのうえで、次の6つを契約と被害の状況で確かめます。

確かめること内容どこで分かるか
1. 建物が保険の対象か雨どい・屋根は建物の一部。家財だけの契約では出ない保険証券
2. 雪災が補償に入っているか商品や契約によって違う保険証券・約款
3. カーポート・門・塀が入っているか車庫が保険の対象に含まれている場合に補償される保険証券・代理店
4. 損害額が自己負担額を超えるか自己負担額は0〜20万円などから選ぶ。損害額20万円以上でないと出ない契約もある保険証券
5. 原因が雪で、経年劣化ではないか自然の消耗や劣化、さびは対象外保険会社の調査
6. 3年以内か保険金を請求する権利は3年で時効になる保険法第95条

カーポートは、契約で車庫が対象に入っているか

東京海上日動は、雪で車庫(カーポートを含む)や門・塀が壊れたときに保険金が出るかは「ご契約によって異なります」としています。あいおいニッセイ同和損保は、火災保険の対象に車庫が含まれていれば補償の対象になる、としています。証券で「門・塀・垣」「物置・車庫」が対象に入っているかを見て、分からなければ代理店に聞きます。

自己負担額と「20万円以上」の条件

損保ジャパンの「THE すまいの保険」は、自己負担額を0円・1万円・3万円・5万円・10万円・20万円から選ぶ形です。建物が築30年以上か築年数が分からない場合は、風災・雹災・雪災に5万円の自己負担額がかかります。同社の案内では、住宅金融支援機構特約火災保険などの一部の商品は、損害額が20万円以上の場合に支払いの対象になります。

上の雨どいの例(約12万〜16万円)なら、自己負担額5万円の契約では損害額から5万円を引いた額が目安になり、20万円以上が条件の契約では出ません。実際の損害額は、保険会社が見積書と写真をもとに決めます。

雪の被害でも、火災保険の雪災で出ないもの

こんなとき扱い出典
さびや割れで傷んでいた雨どいが外れた経年劣化は対象外東京海上日動
閉め忘れた窓から雪が吹き込んだ吹き込みは対象外三井住友海上
雪解けの洪水で家に水が入った水災として補償する場合がある三井住友海上
建物が壊れていないのに雨漏りした対象外損保ジャパン
落ちた雪で自分の車がへこんだ火災保険ではなく、入っていれば車両保険あいおいニッセイ同和損保

東京海上日動は、経年劣化による修理費について「自然の消耗または劣化による損害は補償の対象外」としています。雨どいのさびや、もとからあった割れは、雪の被害とは別に扱われます。時間がたつと、原因を見分けにくくなります。

長野県では、雪の多い年は平均の2倍近く積もる

気象庁の観測値(2016〜2025年の10冬)では、同じ場所でも、雪の多い年の最深積雪は平均の2倍近くになります。

観測所最深積雪の平均10年の最大垂直積雪量(市役所・役場のあたり)
飯山124cm232cm(2022年)200cm以上(飯山市)
長野25cm49cm(2017年)80cm(長野市)
軽井沢27cm51cm(2016年)73cm(軽井沢町)
松本18cm33cm(2016年)78cm(松本市)

垂直積雪量は、市町村が建物の構造計算のために決めている値で、同じ市町村でも区域や標高で変わります。カーポートの「耐積雪○cm」は新雪を前提にした値で、YKK AP や LIXIL は、湿った雪や雨のあとの雪は新雪の3倍の重さになることがあると案内しています。観測された深さが耐積雪を下回っていても、壊れることがあります。観測所の一覧は長野県の雪の深さ、市町村ごとの強度の選び方はカーポートの積雪強度にあります。

壊れたときにすること

  1. 修理の前に写真を撮る。東京海上日動は、建物の全体(別の方向から2〜3枚)、壊れたところと周りが分かる写真、壊れたところを近くで撮った写真を求めています
  2. 保険会社か代理店に連絡する。請求には、保険金請求書・写真・修理の見積書が要ります
  3. 見積もりを取る。足場・撤去・処分・部品を分けて書いてもらう
  4. 危ないところは、写真を撮ってから片づけ・修理をしてよい。撮れなかったときは、直したものをメモに残して保険会社に相談する

雪が残っているうちに屋根に上るのは危険です。写真は地上から撮れる範囲にとどめ、屋根の上は業者に見てもらいます。申請から入金までの流れは火災保険の申請の流れにまとめています。

「保険金で無料で直せる」という勧誘に注意する

国民生活センターの2020年10月の公表によると、「保険金が使える」と勧誘する住宅修理の相談は、2019年度に2,684件で、2010年度(111件)の約24倍でした。工事をしないなら保険金の5割を違約金として払う、という契約の例もあります。

日本損害保険協会も、保険金の一定の割合を報酬や違約金として求める業者(報酬を保険金の30%とした例)や、契約書の控えを渡さない業者に注意するよう呼びかけています。

  • 業者と契約する前に、加入している保険会社か代理店に相談する
  • 経年劣化を雪の被害として請求しない。国民生活センターも、うそと知りながら請求しないよう呼びかけている
  • 困ったときは、損保協会の「保険金に関する災害便乗商法 相談ダイヤル」(0120-309-444)か、消費者ホットライン(188)に相談する

見積もりで確かめること

  • 壊れたところごとの金額(部品・工事・足場・撤去・処分)
  • 足場の面積と単価
  • 直す範囲が、雪で壊れたところと、もとから傷んでいたところで分かれているか
  • 同じ物に戻す分と、雪に強い物に替える分を分けて書いてもらう
  • 保険の認定を待ってから工事の契約をしてよいか

屋根からの落雪を減らす方法は雪止めの選び方、雪下ろしの費用は雪下ろしの費用で解説しています。

よくある質問

去年の冬に壊れた雨どいでも、請求できますか?

保険法では、保険金を請求する権利は請求できるときから3年で時効になります。ただし、時間がたつと雪で壊れたのか経年劣化かを示しにくくなります。気づいたら早めに保険会社に連絡します。

修理を先に済ませてしまっても、保険は出ますか?

東京海上日動は、放っておくと危ないときや暮らしに困るときは、片づけや修理を進めてよいとしています。そのときも、壊れた状態の写真を先に撮ります。撮れなかったときは、修理したものを記録して保険会社に相談します。修理費の全額が出るとは限りません。

カーポートの下の車が雪でへこみました。

あいおいニッセイ同和損保は、隣の家の屋根から落ちた雪で車がへこんだ例について、車両保険で補償されるとしています。車は火災保険の対象ではないので、自動車保険に車両保険を付けているかを確かめます。

まとめ

  • 雪の重みや落雪で壊れた雨どい・屋根・カーポートは、火災保険の「雪災」で補償されることがある
  • 出るかどうかは、建物と車庫が対象か、自己負担額(0〜20万円、20万円以上が条件の契約もある)、経年劣化でないか、3年以内かで決まる
  • 雨どいは部品が数千円でも、足場を組むと総額は10万円を超えることがある(2階の軒10mの交換で約12万〜16万円の計算)
  • 修理の前に写真を撮り、保険会社か代理店に連絡する。業者と契約するのはそのあと
  • 長野県では雪の多い年は平均の2倍近く積もり、湿った雪は新雪の3倍の重さになることがある

出典:保険の扱いは三井住友海上・東京海上日動・あいおいニッセイ同和損保・損保ジャパンの公式の案内、日本損害保険協会(2026年7月31日更新)、国民生活センター(2020年10月1日公表)、保険法第95条。修理費はミツモアの見積もりの価格(2024年)と、当サイトがまとめたカーポートの全国の相場。雪の深さは気象庁の観測値(2016〜2025年)、垂直積雪量は各市町村の資料。いずれも2026年11月4日確認。保険金が出るかどうかは、契約と被害の状況で保険会社が決めます。