長野県77市町村の凍結深度・水道管の埋設深さ一覧|基礎と配管を何cm埋めるか
家の基礎や水道管を、地面からどのくらいの深さに入れればよいか。寒い長野県では、地面が凍る深さ(凍結深度)が気になるところです。ところが、長野県は建築の凍結深度を定めていません。値を示しているかどうかは市町村ごとに違い、水道管を埋める深さは、水道の事業者ごとに別の決まりがあります。
この記事では、長野県77市町村について、市町村が示している「建築の凍結深度」と、水道の事業者が決めている「水道管の埋設深さ」を、公式の資料と例規集で1つずつ調べて一覧にしました。表の値を押すと、その出典の資料が開きます。
調べた日は2026年10月8日です。77市町村のうち34市町村は、公開されている資料で値を確認できませんでした。一覧では「未確認」と書いています。値や決まりは変わることがあるので、計画の前に、設計者と水道の窓口で確かめてください。
自分の市町村をすぐ探したい人は、市町村別の一覧(北信/東信/中信/南信)へ。
凍結深度と、水道管の埋設深さの違い

よく混同される2つの数字です。決める人も、使う場面も違います。
| 建築の凍結深度 | 水道管の埋設深さ | |
|---|---|---|
| 何の深さか | 冬に地面が凍る深さの目安 | 水道管を地面から何cm下に埋めるか |
| 何に使うか | 基礎の底をどこまで下げるか | 給水管を凍結や破損から守る |
| 誰が決めるか | 長野県は定めていない。市町村が示す場合と、設計者が判断する場合がある | 水道の事業者(市町村の水道課、水道企業団、県企業局など) |
建築の凍結深度
地面が凍ると、土の中の水分が凍って膨らみ、基礎を押し上げることがあります(凍上)。建築基準法の告示(平成12年建設省告示第1347号)は、基礎の根入れの深さを「凍結深度よりも深いものとすることその他凍上を防止するための有効な措置を講ずること」としています(告示の原文・国土交通省)。
この凍結深度の値を、長野県は定めていません。県の建設事務所のページには「長野県では凍結深度を定めておりません。各種調査のもと、設計者の判断で適切に設計してください」とあります(佐久建設事務所 建築課)。市町村によっては、独自に値を示しています。
水道管の埋設深さ
水道管は、凍らないよう、また車の重さなどで壊れないよう、決まった深さより下に埋めます。この深さは、建築の凍結深度とは別に、水道の事業者が給水条例の施行規則や工事の基準で決めています。宅地の中と道路では深さが違い、道路のほうが深くなります。
資料によって、深さを「土被り」「管上」と書いているものがあります。どちらも、地面から管の上の面までの深さのことです。また、「凍結深度以上」とだけ書いて数値を示していない事業者もあります。
結果の概要
- 建築の凍結深度を示している市町村:長野市・松本市・軽井沢町・箕輪町の4市町(軽井沢町と箕輪町は「参考」とする値)
- 「定めていない」と明記している市町村:富士見町・塩尻市
- 水道管の埋設深さを確認できた市町村:40市町村。宅地内の深さの下限を60cmとする市町村が23市町村でいちばん多く、数値のある市町村では30cm〜80cm(区域によっては100cm)の幅がある
- どちらも確認できなかった市町村:34市町村
同じ市町村の中でも、標高の高い区域だけ深くしている例があります。長野市は標高おおむね800mを超える地点で60cm以上、茅野市は蓼科白樺湖区域の給水区域で100cm以上、原村は上里横道線より東で100cm以上としています。
77市町村の凍結深度・水道管の埋設深さ一覧
「水道管の埋設深さ」は、宅地の中の値です。値を押すと出典の資料が開きます。市町村の名前を押すと、その市町村の「家づくりの地域データ」のページ(冬の最低気温などの10年分の数字のほか、土地の価格や災害の区域)が開きます。
北信(14市町村)
| 市町村 | 建築の凍結深度 | 水道管の埋設深さ |
|---|---|---|
| 長野市 | 45cm以上(標高おおむね800m超は60cm以上) | 50cm(口径13〜30mm)/60cm以上(県企業局) |
| 須坂市 | 県の定めなし | 未確認 |
| 中野市 | 県の定めなし | 未確認 |
| 飯山市 | 県の定めなし | 未確認 |
| 千曲市 | 県の定めなし | 60cm(市)/60cm以上(県企業局) |
| 小布施町 | 県の定めなし | 未確認 |
| 高山村 | 県の定めなし | 未確認 |
| 山ノ内町 | 県の定めなし | 未確認 |
| 木島平村 | 県の定めなし | 30cm以上 |
| 野沢温泉村 | 県の定めなし | 60cm以上 |
| 信濃町 | 県の定めなし | 45cm以上 |
| 小川村 | 県の定めなし | 未確認 |
| 飯綱町 | 県の定めなし | 50cm(口径13〜25mm) |
| 栄村 | 県の定めなし | 未確認 |
東信(16市町村)
| 市町村 | 建築の凍結深度 | 水道管の埋設深さ |
|---|---|---|
| 上田市 | 未確認(市が定める立場) | 60cm(市)/60cm以上(県企業局) |
| 小諸市 | 県の定めなし | 60〜80cm程度 |
| 佐久市 | 県の定めなし | 60cm(口径50mm以下) |
| 東御市 | 県の定めなし | 60cm以上 |
| 小海町 | 県の定めなし | 未確認 |
| 川上村 | 県の定めなし | 未確認 |
| 南牧村 | 県の定めなし | 未確認 |
| 南相木村 | 県の定めなし | 70cm以上 |
| 北相木村 | 県の定めなし | 70cm以上 |
| 佐久穂町 | 県の定めなし | 60cm(口径50mm以下) |
| 軽井沢町 | 70cm〜(参考) | 凍結深度以上・120cm未満(数値なし) |
| 御代田町 | 県の定めなし | 60cm(口径50mm以下) |
| 立科町 | 県の定めなし | 60cm以上(八ケ野の区域は80cm以上) |
| 青木村 | 県の定めなし | 60cm(口径13〜50mm) |
| 長和町 | 県の定めなし | 凍結深度以上(数値なし) |
| 坂城町 | 県の定めなし | 60cm以上(県企業局) |
中信(19市町村)
| 市町村 | 建築の凍結深度 | 水道管の埋設深さ |
|---|---|---|
| 松本市 | 40.5cm(四賀・安曇・奈川・梓川・波田は50〜80cm) | 70cm以上 |
| 大町市 | 県の定めなし | 未確認 |
| 塩尻市 | 定めていない(市が明記) | 未確認 |
| 安曇野市 | 県の定めなし | 60cm以上 |
| 上松町 | 県の定めなし | 未確認 |
| 南木曽町 | 県の定めなし | 60cm以上 |
| 木祖村 | 県の定めなし | 未確認 |
| 王滝村 | 県の定めなし | 未確認 |
| 大桑村 | 県の定めなし | 未確認 |
| 木曽町 | 県の定めなし | 未確認 |
| 麻績村 | 県の定めなし | 60cm以上 |
| 生坂村 | 県の定めなし | 未確認 |
| 山形村 | 県の定めなし | 70cm以上 |
| 朝日村 | 県の定めなし | 未確認 |
| 筑北村 | 県の定めなし | 60cm以上 |
| 池田町 | 県の定めなし | 60cm以上 |
| 松川村 | 県の定めなし | 未確認 |
| 白馬村 | 県の定めなし | 50cm以上(口径75mm以上は70cm以上) |
| 小谷村 | 県の定めなし | 未確認 |
南信(28市町村)
| 市町村 | 建築の凍結深度 | 水道管の埋設深さ |
|---|---|---|
| 岡谷市 | 県の定めなし | 60cm以上 |
| 飯田市 | 県の定めなし | 未確認 |
| 諏訪市 | 県の定めなし | 70cm以上(平地) |
| 伊那市 | 県の定めなし | 未確認 |
| 駒ヶ根市 | 県の定めなし | 60cm以上(寒冷地仕様は80cm以上) |
| 茅野市 | 県の定めなし | 80cm以上(蓼科白樺湖区域は100cm以上) |
| 下諏訪町 | 県の定めなし | 未確認 |
| 富士見町 | 定めていない(町が明記) | 未確認 |
| 原村 | 県の定めなし | 80cm以上(上里横道線以東は100cm以上) |
| 辰野町 | 県の定めなし | 未確認 |
| 箕輪町 | 50cm(参考値) | 未確認 |
| 飯島町 | 県の定めなし | 未確認 |
| 南箕輪村 | 県の定めなし | 未確認 |
| 中川村 | 県の定めなし | 未確認 |
| 宮田村 | 県の定めなし | 未確認 |
| 松川町 | 県の定めなし | 50cm以上 |
| 高森町 | 県の定めなし | 凍結深度以下(数値なし) |
| 阿南町 | 県の定めなし | 60cm |
| 阿智村 | 県の定めなし | 未確認 |
| 平谷村 | 県の定めなし | 未確認 |
| 根羽村 | 県の定めなし | 60cm以上 |
| 下條村 | 県の定めなし | 60cm以上 |
| 売木村 | 県の定めなし | 未確認 |
| 天龍村 | 県の定めなし | 未確認 |
| 泰阜村 | 県の定めなし | 60cm以上 |
| 喬木村 | 県の定めなし | 50cm以上 |
| 豊丘村 | 県の定めなし | 未確認 |
| 大鹿村 | 県の定めなし | 60cm以上 |
一覧を見るときの注意
- 「県の定めなし」は、値がないという意味ではありません:県が定めていないことは確かめましたが、市町村が独自の値を持っているかどうかまでは、公開資料で確かめられなかった市町村があります。基礎の深さは、設計者に確認してください。
- 長野市・松本市・上田市は、市が建築の基準を定める立場(特定行政庁)です。上田市は、建築の凍結深度を公開資料で確認できませんでした。
- 同じ市町村でも、水道の事業者が違うことがあります:佐久市・佐久穂町・御代田町は佐久水道企業団の基準です。長野市・上田市・千曲市・坂城町には、長野県企業局が給水している区域があり、市の基準と県企業局の基準が並んでいます。どちらに当たるかは、水道の窓口で確かめてください。
- 口径で深さが変わる基準があります:太い管ほど深く埋める決まりの事業者があります。一覧には、住宅でよく使う細い管の値を書いています。
- 浅く見える値もあります:木島平村は、宅地内0.3m以上としています(木島平村水道条例施行規程 第9条)。同じ規程の第14条は、凍結のおそれのある箇所の給水管に防寒措置を施すよう定めています。深さだけで凍結を防ぐ決まりではないので、保温の方法もあわせて確かめてください。
家づくり・リフォームで確かめたいこと

基礎の深さは、設計者に根拠を聞く
市町村が値を示していない地域では、凍結深度は設計者の判断になります。基礎の根入れ(地面から基礎の底までの深さ)を何cmにしたか、その根拠は何かを、図面を見ながら聞いてみてください。同じ市町村でも、標高の高い敷地や、日の当たらない北側では、地面が深く凍ることがあります。
屋外の配管と、水道メーターまわり
埋設深さを守っていても、地面から立ち上がる部分は凍ります。屋外の立水栓、給湯器まわりの配管、水道メーターのボックスまわりは、保温材や凍結防止ヒーターで守るのが基本です。配管を家の中に通す設計にすると、凍結のおそれのある部分を減らせます。対策の方法と費用は長野の水道凍結対策にまとめています。
留守にする家は、水抜きの手順を決めておく
別荘や、冬に家を空けることが多い家は、水抜き栓の位置と手順を、引き渡しの前に業者と確認しておくと安心です。水抜きの手順と頼む場合の費用は別荘の水抜きの手順と費用で解説しています。
寒冷地の家で、凍結深度のほかに確かめたい仕様は長野の家はなぜ寒い?寒冷地仕様との違い3つと凍結深度で解説しています。
よくある質問
自分の市町村が「未確認」のときは、どこに聞けばいいですか?
基礎の深さ(凍結深度)は、設計を頼む工務店や設計者に聞くのが近道です。市町村の建築担当の窓口でも、目安を示しているか確かめられます。水道管の深さは、市町村の上下水道の担当課か、その地域の水道の事業者に聞いてください。
凍結深度より深く埋めれば、水道管は凍りませんか?
地中の部分は凍りにくくなりますが、地面から立ち上がる部分や、家の外壁に沿った露出の配管は凍ります。埋める深さと、立ち上がりの保温は、別の対策として考えてください。
リフォームでも、埋設深さの決まりは関係しますか?
屋外の給水管を引き直す工事や、水道の引き込みを変える工事では関係します。水道の工事は、水道の事業者が指定した業者(指定給水装置工事事業者)が行う決まりなので、工事を頼む業者が指定を受けているかも確かめてください。
まとめ
- 長野県は、建築の凍結深度を定めていない。市町村が示している場合と、設計者の判断になる場合がある
- 建築の凍結深度を示しているのは、長野市・松本市・軽井沢町・箕輪町の4市町。富士見町と塩尻市は「定めていない」と明記
- 水道管の埋設深さは、水道の事業者が決める別の数字。宅地内は60cmが多い
- 34市町村は公開資料で確認できなかった。設計者と水道の窓口で確かめる
- 深さだけでなく、地面から立ち上がる配管の保温と、留守中の水抜きもあわせて考える